BGPピア
目次
IBGPピアとEBGPピア
BGPのピアには、「EBGP」と「IBGP」の2つがあります。それぞれの意味は、
EBGPピア:異なるASに属するBGPスピーカとのピア
IBGPピア:同じASに属するBGPスピーカとのピアがIBGPピア
です。
IBGPピアは、同じAS内のBGPスピーカと確立するピアですが、そのピアとは直接接続されていなくてもかまいません。IBGPピアのBGPメッセージは、IPヘッダのTTL=255なので、IP接続性があれば、IBGPピアを確立することができます。
EBGPピアは、異なるASのBGPスピーカと確立するピアで、通常は直接接続されている必要があります。これは、EBGPピアを確立するBGPメッセージは、IPヘッダのTTL=1であるためです。
BGPピアの設定
BGPのピアを設定するには、BGPのコンフィグレーションモードで次のコマンドを入力します。
(config-router)#neigbhor [neighbor-address] remote-as [as-number]
ここで指定した[neighbor-address]がBGPメッセージの送信先IPアドレスです。送信元IPアドレスは、[neighbor-address]へ到達するための出力インタフェースのIPアドレスです。
注意しなければいけない点が、お互いに正しくピアを確立するには、BGPメッセージの送信元IPアドレスとneighborコマンドで指定した[neighbor-address]が一致しなければいけないということです。もし、一致していなければ、BGPのピアを確立することができません。
BGPピアの設定のサンプルとピアを確立する上での条件を図に表します。
なお、次のように、BGPの設定からピアがIBGPであるかEBGPであるかがわかります。
IBGPピア:
router bgpコマンドのAS番号=neighbor remote-asコマンドのAS番号
EBGPピア:
router bgpコマンドのAS番号≠neighbor remote-asコマンドのAS番号
直接接続されていないBGPピア
BGPピアを確立する上記の条件のため、直接接続されていないBGPスピーカとピアを確立するためには、BGPメッセージの送信元IPアドレスを変更する必要があります。BGPメッセージの送信元IPアドレスを変更するには次のコマンドを入力します。
(config-router)#neigbhor [neighbor-address] update-source [interface]
このコマンドにより、BGPメッセージの送信元IPアドレスは指定したインタフェースのIPアドレスになります。
また、直接接続されていないBGPスピーカとEBPピアを確立するには、さらに、BGPメッセージのTTLを変更しなければいけません。EBGPのBGPメッセージのTTLを変更するには、BGPのコンフィグレーションモードで次のコマンドを入力します。
(config-router)#neigbhor [neighbor-address] ebgp-multihop {ttl}
ピアを確立するアドレスへ到達するために必要なTTLの値を設定すると、BGPメッセージを送信するようになりEBGPピアを確立できます。なお、最後のTTLの値は省略可能で、省略した場合はTTL=255です。