Ciscoデバイスの管理 コンフィグレーションレジスタ
コンフィグレーションレジスタの詳細
コンフィグレーションレジスタは、NVRAMに格納されている16ビットの数値で、
これによりルータの起動を制御します。各ビットの意味は次の表のようになり
ます。
表
コンフィグレーションレジスタのビット
ビット番号 |
意味 |
00~03 |
ブートフィールド |
06 |
NVRAMの内容(startup-config)を無視する |
07 |
OEMビット |
08 |
コンソールのBreakキーによるブレーク信号を制御する |
09 |
セカンダリブートストラップを利用する場合 |
10 |
IPブロードキャストを全ビット0にする |
5,11,12 |
コンソールの回線速度 |
13 |
ネットワークブート失敗時にデフォルトのROMソフトウェアを起動 |
14 |
IPブロードキャストにネットワーク番号をつけない |
15 |
診断メッセージをイネーブルにし、NVRAMの内容を無視する |
※通常、コンフィグレーションレジスタ値は4桁の16進数で表記されます。
各ビットにそれぞれ意味がありますが、通常の運用をしたりCCNA試験を受けた
りするためにすべてのビットの意味を覚える必要はありません。デフォルトの
コンフィグレーションレジスタ値である「0x2102」とパスワードリカバリを行
う時の「0x2142」という値について理解していれば十分です。
重要なコンフィグレーションレジスタ値である「0x2102」と「0x2142」の値を
2進数に変換したものが次の図です。
これを見ると、コンフィグレーションレジスタで重要なのは、
・1ビット目(0~3ビット目)
・6ビット目
・8ビット目
・13ビット目
であることがわかります。
0~3ビット目はブートフィールドといいます。「0x2102」「0x2142」というコ
ンフィグレーションレジスタ値では、ビットとしては1ビット目だけしか使い
ませんが、この4ビット分は1セットで考えてください。この4ビットはルータ
をどのように起動(ブート)させるかを決定するビットです。ブートフィールド
の値は次のような意味を持っています。
表
ブートフィールドの意味
ブートフィールドのビット |
意味 |
0000 |
起動時にROMモニタを起動する |
0001 |
ROM内のIOSを起動する |
0010~ 1111 |
設定ファイルのboot |
デフォルトでは、ブートフィールドの部分は「0010」なので、設定ファイル
(startup-config)のboot systemコマンドに従ってIOSを起動します。もし
boot systemコマンドが設定されていなければフラッシュメモリの最初のIOSを
起動することになります。
6ビット目がオンになっていると、起動時にIOSがNVRAM内のstartup-configを
読み込まず、初期状態で起動させることができます。このビットはパスワード
リカバリーのときにオンにします。
8ビット目は、コンソールのBreakキーによるブレーク信号の送信を制御します。
このビットがオンになっているとルータはBreakキーによるブレーク信号を無
視します。ただし、ルータ起動から60秒間は、このビットがオンになっていて
もBreakキーによるブレーク信号を受け付けてブートを中断してROMモニタに移
行します。
13ビット目は、ネットワーク上からIOSのブートが失敗したときの動作です。
このビットがオンになっている場合は、ネットワーク上からIOSのブートが失
敗するとROMモニタでブートします。
以上からデフォルトのコンフィグレーションレジスタ値「0x2102」の意味を図
にまとめます。
同じくパスワードリカバリ時のコンフィグレーションレジスタ値「0x2142」の
意味は次の図のようになります。
コンフィグレーションレジスタの変更は、グローバルコンフィグレーションモ
ードで次のコマンドを入力します。
(config)#config-register [register-value]
このコマンドを入力すると、次回のルータ起動から設定したコンフィグレーシ
ョンレジスタ値にしたがって起動します。現在のコンフィグレーションレジス
タ値を確認するには、show versionコマンドを利用します。