平成14年度テクニカルエンジニア(ネットワーク)午後Ⅱ 問2設問1 解答と解説

目次

解答

(1)【a】 3
【b】 14
【c】 5
【d】 250

(2)【e】 ネットワーク
【f】 改ざん

解説

(1)
まずは基本的な穴埋め問題です。バックアップに利用するテープの容量の計算問題です。

計算に必要な数値をピックアップします。

表1より
テープの容量:40Gバイト/本
転送速度:6Mバイト/秒

表2より
バックアップするDB容量:90Gバイト
1日の変更量:1.5Gバイト

まず空欄【a】は、フルバックアップを行うために必要なテープの本数です。フルバックアップということは、DB全体つまり90Gバイトのバックアップを取ります。
テープの容量が1本40Gバイトなので、

90Gバイト÷40Gバイト/本 = 2.25本

で結局フルバックアップするためには、テープは3本必要になります。つまり、空欄【a】は「3」です。

次に、1ヶ月あたりに必要なテープの本数を求めるのが空欄【b】です。これを考えるためには、問題文の記述をしっかりと読んでください。問題文の中に次の記述があります。

月~金曜日は、差分バックアップを行う。テープは、曜日ごとに固定し、毎週同じものを使用する。
・土曜日は、フルバックアップを行う。テープは、2セット用意して、毎週交互に使用する。
・日曜日は、ASPシステムのサービスを停止するので、バックアップを行わない。

月~土曜日のバックアップはテープ交換も含めて自動で行い、月末はオペレータの操作で行う。月末のバックアップ後、月末用テープは手作業で入れ替え、1年間保管する。

平日に関しては、毎週同じテープを使いまわすことがわかります。そのため、平日のバックアップ用に合計5本のテープが必要です。
また、土曜日のバックアップは2セットを交互に用意して、とあります。1セットの本数が空欄【a】の3本ですから、土曜日のバックアップ用に6本必要です。
日曜日は行わないとありますが、あとは月末用のバックアップテープが必要です。これはフルバックアップなので3本のテープを使います。以上より、1ヶ月あたりに使用するテープの本数は、

5(平日用)+6(土曜日用)+3(月末用)=14

です。

空欄【c】【d】は単純なバックアップ時間の計算です。

【c】は1日あたりのバックアップ時間なので、1日の変更量をテープ転送速度で割れば、時間がわかります。

1500(Mバイト)÷6(Mバイト/秒)=250(秒)=4.167(分)

解答欄は分単位なので、【c】は「5」分です。

フルバックアップにかかる時間は、

90000(Mバイト)÷6(Mバイト/秒)=15000(秒)=250(分)

より、【d】は「250」分となります。

(2)
IPSecについての基本的な問題の穴埋めです。これはサービス問題と考えていいですね。

一般にセキュリティを実装する目的は、次の3つを提供することにあります。

データの機密性
正当なユーザ以外、データの中身を見られないようにすることをさしています。暗号化する ことによって提供できます。

データの完全性
データが改ざんされていないことを保証することをさしています。デジタル署名などによって、署名されたデータが送信元が送信したものと変更されていないことを保証することができます。

サービスのアベイラビリティ
利用したいときに、いつでもサービスを提供することができることをさしています。ネットワークやシステムを冗長化し、クラッカーからの不正アクセスを適切に防止します。

IPSecを利用することによって、「データの機密性」と「データの完全性」を提供し、セキュアなデータ転送を行います。

まずは、「データの機密性」を実現するための、IPSecによる暗号化についてです。
IPSecはIPと同じ階層、つまりネットワーク層でパケットを暗号化します。ネットワーク層で暗号化するために、上位のアプリケーションに依存しません。すべてのIPパケットをIPSecによって暗号化し、セキュアなデータ転送を行うことができます。【e】には「ネットワーク」層が当てはまります。

そして、IPSecでは認証ヘッダを用いることによって、データの改ざんを検出することができます。送信元で元のデータから特殊な演算を行い、メッセージ・ダイジェストを生成し、これを認証ヘッダに含めます。メッセージ・ダイジェストは元のデータよりも少ないデータ量なので、メッセージ・ダイジェストから元のデータに復元することはできません。
送信先では、暗号化されたパケットを複合し、そのデータから同様にメッセージ・ダイジェストを作成します。認証ヘッダに含まれているメッセージ・ダイジェストと複合したデータから作成したメッセージ・ダイジェストが一致していれば、データは改ざんされていないということになります。【f】には、「改ざん」が入ります。

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