NETWORK MAGAZINE 2006.4 『「Web2.0」で生き残るエンジニア P134~143」 by Gene

先日、梅田望夫氏の「ウェブ進化論」という本を読みました。『Web2.0』とい
う言葉はよく見かけるのですが、いったい何なのか?ということがよくわから
ずじまいでした。ところが、「ウェブ進化論」を読むと、『Web2.0』とは何な
のか?そして、どのぐらいのインパクトがあるのか?ということをまざまざと
感じさせられました。

「ウェブ進化論」

「ウェブ進化論」で思ったことは、別の機会になんか書きたいと思いますが、
水曜日のレビューネタを探しててNETWORK MAGAZINEをパラパラとめくってると、
この記事を見つけました。『Web2.0』を扱ったこの記事はすごくタイムリーに
感じ、レビューのネタに採用です。
『Web2.0』について知り、これからの『Web2.0』の時代にエンジニアが必要な
スキルを提案するという内容です。

そもそも『Web2.0』とは何か?ということが説明されています。この記事では、
Webを「プラットフォーム」として利用することが『Web2.0』的であると説明
しています。HTMLファイルをサーバからダウンロードする単なる「ハイパーメ
ディア」ではなく、銀行や証券、ショッピングなどの社会機能の一部をWeb上
で実現できるとしています。ただ、ぼくはこの説明はしっくりきませんでした。
銀行や買い物など実社会の機能がWebに移行しているだけだったら「便利だな
ぁ」と思うけど、そんなに「スゴイコト」とは思えません。このあとの流れで
いきなりAmazonやGoogleのAPIの話が出てきますが、銀行や証券取引がネット
上でできることにつながっていない気がしました。

この記事で言っていることより、「ウェブ進化論」の中で書かれている内容の
方がなるほどなぁと思います。「ウェブ進化論」の中で

「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者ではなく
能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービスの開
発姿勢」

を『Web2.0』の本質としています。
能動的な表現者として巻き込むために、AmazonはWebサービスで自社の商品デ
ータベースの情報を一般の人々にも利用できるようにしたり、GoogleはAdSense
のプログラムでいままで表現をしようとしなかった人々にインセンティブを与
えたりしています。

『Web2.0』の世界では、いままで表現者となりえなかった人々が大多数ネット
上に参加してきます。その結果、何が起こるか?マーケティングの世界では、
パレートの法則という法則があります。これは20%の優良な顧客が80%の売り上
げを生み出すという経験則です。つまり、パレートの法則にしたがえば、80%
のどうでもいい客は切り捨ててしまえ!ってことですね。優良な20%の客を大
事に扱いましょうと。ところが、『Web2.0』の世界で、圧倒的大多数の人々が
参加してくると、パレートの法則では切り捨てられる80%が重要な意味を持つ
ようになります。
たとえば、AmazonのWebサービスを利用したツールを使って個人のブログでAmazon
の商品を紹介することがよく行われています。ブログを使うことによって、こ
れまで以上に非常に手軽に表現者としてWebの世界に参加できます。そして、
そうした人々がAmazonの商品を紹介すると紹介した人に手数料が支払われる。
AmazonはWebサービスを提供することで、ネット上の不特定多数を自社の商品
の宣伝を行ってもらいそれに応じた手数料を払うことでネット上に無数の支店
を出すことができます。そうした無数の支店のアクセス数は、大規模なサイト
に比べると本当に微々たるものです。でも、それが積もり積もると、全体の売
り上げの半分近くを占めるようになります。
そして、GoogleはAdSenseプログラムで、いままでWeb上の広告媒体となりえな
かった小規模なWebサイトをそのサイトにあった広告を配信する技術でネット
上の不特定多数のユーザを巻き込み、大規模な広告媒体を作り上げています。
ネット上のAdSenseを掲載しているサイトからの広告収益はGoogleの収益の大
半を占めていると言われています。

このように積極的な「参加者」を巻き込んでいく技術やサービスが『Web2.0』
です。うまく「参加者」を巻き込んでいく仕組みを作ることができれば、拡張
性には限界がないでしょう。だから、「参加者」を巻き込んでいく視点を持つ
ことがこれからのエンジニアにとって重要になると思います。

書いていると長くなってきました。なんか記事のレビューじゃなくて、いまの
自分なりの『Web2.0』の認識を書いたものになってしまいましたね。記事は、
若干まとまりがなくわかりにくい面もありますが、『Web2.0』ってどんなもの
なのかな?ということを知りたい方には一読をオススメします。
さらに詳細なことを知りたい方は、

「ウェブ進化論」

「「80対20」を覆すロングテールの法則」

がオススメです。

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