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Cisco WAN 実践ケーススタディ 鎌田 道子 藤原 麻子 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() by G-Tools |
企業の拠点間を接続するためのWANサービスは、昔は専用線やフレームリレーを使うことが多かったでしょう。それが2000年頃から、新しいWANサービスが始まってきて、企業の拠点間を接続するための選択肢がいろいろととれるようになっています。
2000年頃から始まった新しいWANサービスとして、次のようなサービスがあります。
- IP-VPN(MPLS-VPN)
- 広域イーサネット
- インターネットVPN(IPSec VPN)
これらの新しいWANサービスを利用することで、より低コストで高速な通信が可能になり、そして柔軟にWANの接続を行うことができるようになっています。いろんな選択肢が増えるのはいいことですが、その分、実際にWANに接続するための知識や設定技術がよりたくさん求められることになるわけです。
IP-VPN、広域イーサネット、インターネットVPNでは、設定の考え方がずいぶんと違います。網に接続するための設定から、ルーティングをどう考えるかなどなど、それぞれのWANサービスに応じて適切な設定ができなければいけません。適切な設定を行うためには、各WANサービスの仕組みを知っておく必要があります。
各WANサービスの仕組みと実際にどのような設定を行えばいいのかという実践的な内容がまとめられているのが、「Cisco WAN実践ケーススタディ」です。
IP-VPN(MPLS-VPN)、広域イーサネット、インターネットVPNの現在主要なWANサービスの仕組みと実際のルータの設定例をケーススタディ形式でまとめています。設定だけでなく、機種選定やIOSバージョン、モジュールまで提示されています。
また、さらに応用として、複数のWANサービスを組み合わせて冗長構成をとったり、より高度なセキュリティ機能の設定についてもまとめられています。
ただ、各WANサービスの仕組みについては、これだけ読めば大丈夫とはいかないです。各WANサービスの仕組みについて詳細を解説しようとすると、たぶんページ数は3倍ぐらいになるでしょうから。仕組みについての解説はあるものの、この部分は復習程度と考えておいた方がいいです。詳しい仕組みは、他の書籍などで補う必要があります。
特にこの本で参考になるのは、さまざまなアクセス回線ごとの具体的な設定例が載せられていることです。現在では、WANネットワークにつなぐためのアクセス回線として、本当に多様な選択肢があります。いろんなアクセス回線に対応した設定がこんな風にまとまっている本は他にはなかったと思います。
また、執筆されている方々は日本Ciscoの社員の方です。日本のサービス環境に合わせて、日本で利用できるCisco機器を用いた設定がまとめられているので、とてもわかりやすくなっています。
とにかくCiscoルータでWANサービスに接続するための設定方法を知りたい!というニーズに最適な本です。
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