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(所属カテゴリー:Cisco CCIE向け | 上級者向け | 中級者向け---投稿日時:2010年7月14日)
Ciscoネットワーク構築教科書[設定編] ダイワボウ情報システム株式会社 シスコシステムズ合同会社 by G-Tools |
Ciscoルータ、Catalystスイッチ、Cisco Aironetシリーズ、Cisco ASAシリーズのさまざまな機能の設定例を紹介
Ciscoルータ、Catalystスイッチ、Aironet、ASAシリーズのさまざまな設定例が紹介されています。どれもCCOを見れば大抵の設定例はありますが、1冊の本として、機器を横断して機能ごとの設定例を見られるのは便利です。
一応、設定例の前に簡単な技術の解説がありますが、これだけでは設定する技術を理解することは無理です。プロトコルの仕組みや機能について、すでに理解していることが前提です。なので、いろんな設定例を見るためのリファレンス的な使い方が適しています。
ただ、注意しなければいけないのは、設定例しか載っていません。単体のルータだけで動作が完結する機能なら、設定例に載せられているコマンドだけで確認することができます。でも、ほとんどの機能は他のルータや機器と相互作用して、動作します。他のルータとの相互作用で、設定した機能が正常に動作しているかを確認するには、設定例に載せられているコマンドだけでは不十分です。適切なshow/debugコマンドを利用しなければいけません。
ところが、設定をしたあと、その動作を確認するためのshowコマンドやdebugコマンドについては、一切触れられていません。showコマンドやdebugコマンドまで載せると、ページ数が軽く3倍ぐらいになってしまうでしょうから仕方ないです。でも、どんなshow/debugコマンドのどこを見ればいいかのポイントぐらいは書かれていると、もっと有用な本になったでしょう。今後、同じようなシリーズが出版されるようでしたら、確認のためのshow/debugコマンドのポイントも載せてくれるといいですね。
また、この本のChapter5はCCIE Routing & Switchingラボ試験対策にも使えます。Chapter5では、OER/PfR(Optimise Edge Routing/Performance Routing)やEEM(Embeded Event Manager)について、簡単な設定例が載せられています。CCIEラボ試験にこれらが出題範囲となっています。簡単な設定だけとはいえ、日本語で設定例を解説しているのは貴重です。
以上のように、ある程度技術的な仕組みを理解していて、Cisco機器を用いてネットワークを構築する方にはとても便利な本です。ただ、確認するためのshow/debugコマンドは自分で補う必要があります。CCIE受験者の方も、一部だけですが、とても参考になるはずです。当てはまる方は、手元に置いておいて損はない本です。
Ciscoネットワーク構築教科書[設定編] ダイワボウ情報システム株式会社 シスコシステムズ合同会社 by G-Tools |