平成14年度テクニカルエンジニア(ネットワーク)午後Ⅰ問2設問2解答と解説

目次

解答

(1)Webサイトの閲覧はプロキシサーバ経由で行う。同一サブネット上にプロキシサーバが存在していたため。(49字)

(2)ネットワークの障害発生時は物理的な接続を最初に確認する。(28字)
自社内で障害の切り分けを行ってから通信事業者に確認する。(28字)

解説

(1)
企業などでは、Webサイトへのアクセスはプロキシサーバを利用していることが多いです。プロキシサーバ経由でWebアクセスをする利点は、

・キャッシュによる高速なアクセスを行う
・内部のホストを隠蔽して、セキュリティを向上させる

ことなどがあげられます。

プロキシサーバを経由するWebアクセスは、次の図のようになります。

まず、クライアントコンピュータからのHTTPのリクエストは、プロキシサーバへ送られます。(1)
プロキシサーバの設定は、ブラウザで行います。たとえば、Internet Explorer 6 であれば、

【ツール】-【インターネットオプション】-【接続】-【LANの設定】

の中にプロキシサーバの設定を行う画面があります。

クライアントから受け取ったHTTPのリクエストをプロキシサーバがあらためてインターネット上のWebサイトに送っていきます。この際、必要であれば、DNSによる名前解決を行います。(2)
Webサーバから見るとプロキシサーバが要求元になるので、要求されたファイルをプロキシサーバに送ります。(3)
そして、プロキシサーバからもともとのHTTPリクエストを送信したクライアントコンピュータにファイルを返送します。(4)

というプロセスから、まずプロキシサーバにアクセスするんだということを頭に入れると、この問題の解答は明らかになります。

D営業店でWebアクセスができないという報告を受けて、本部にいたB君は手元のパソコン(デフォルトゲートウェイが間違っている)で、確認したんですね。そうすると、Webアクセスはできるけど、ルータ3へのPingは届かない状況です。

図1のネットワーク構成を見ると、本部のパソコンとプロキシサーバは同一サブネット上にあることがわかります。そのため、プロキシサーバとの通信は、デフォルトゲートウェイは関係ありませんので、問題なくWebアクセスはできます。
でも、ルータ3は異なるサブネットにいるので、デフォルトゲートウェイが間違っていると正しく通信ができなくなってしまうわけですね。

(2)
トラブルシュートの手順に関する問題です。きちんとしたトラブルシュートの手順を知っておかないと、余計な時間がかかってしまうことが良くあります。

・物理層から確認
「ケーブルが抜けていた!」というのは、本当によく聞くトラブル原因です。 パソコンとスイッチのケーブルがちゃんとささっているかを確認せずに、設定を見てみたりして、悩んでいると余計な時間が取られてしまいます。
この問題でも、ケーブルの確認さえすればそれで終わったのに、いろんな人の手間をかけてしまっていることになります。

・自分に近いところから確認
一番確認しやすいところから確認しましょう。いきなり、WANがおかしいとか、相手のサーバがおかしいとか言い出すのではなく、まず、自分のパソコンの物理的な接続、設定、スイッチ、デフォルトゲートウェイ・・・という具合に。
通信事業者のネットワーク障害よりも、自社内のネットワーク障害の方が圧倒的に多いです。いきなり、通信事業者に連絡するよりも、きちんと障害の切り分けを先に行うべきです。

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