平成14年度テクニカルエンジニア(ネットワーク)午後Ⅰ問3設問1解答と解説

目次

解答

(1)① サ
② ア
③ エ
④ イ
⑤ ク

(2)通信機器や敷設コストが高くなる。(16字)

(3)a. 37500円

解説

(1)
光ファイバの構造についての知識を問うための問題です。知っていればすぐにわかるけど、知らないと勘に頼るしかないという典型的な問題です。こういう問題は確実に得点できるように、いろんな分野の基礎知識を身につけておきたいところです。最近では、常時接続環境で、光ファイバを使ったFTTH(Fiber To The Home)も普及してきていますし、光ファイバの構造について、ぜひきちんと理解しておきましょう!

光ファイバは、「コア」と「クラッド」という2つの部分から成り立っています。「コア」と「クラッド」は石英というガラス繊維でできています。最近では、プラスチックを使うこともあるそうですが、一般的なのが石英です。
実際に光が通るところが「コア」です。「コア」と「クラッド」は、光の屈折率が異なり、光が「コア」と「クラッド」の境界で全反射して進行します。

「コア」を通過する光の光源は、レーザー光を使います。レーザー光は、波長と位相が安定しているため、効率よく光を遠くまで届けることができるようになります。

光ファイバケーブルは、コアとクラッドの直径比によって、以下の2つに分類できます。

・マルチモード光ファイバ
・シングルモード光ファイバ

マルチモード光ファイバは、コア/クラッドの直径比が62.5μm/125μmです。(※コアの直径がもう少し小さいものもありますが、だいたいクラッドの半分ぐらいです)
コアの直径が大きいので、光の位相がいくつか分散して長距離の場合、光信号の到達時間にバラつきが出てしまいます。そのため、あまり長距離には向いていません。数km程度の距離で利用されることが多いです。
マルチモード光ファイバは、コアとクラッドの直径によって、ステップインデックス型、グレーデッドインデックス型という分類も行われています。

シングルモード光ファイバは、コア/クラッドの直径比が10μm/125μmです。(※これもコアの直径が多少異なることがあります)
コアの直径が非常に小さいため、コアに入ってくる光の位相が単一になります。そのため、マルチモードのように光信号の到達のバラつきが起こりにくいので、長距離でのサポートを行うことができます。数十km~100kmぐらいまでの距離をサポートすることができます。

クラッドの125μmは、ちょうど人間の髪の毛ぐらいの直径です。非常に細いガラスで、高速な通信ができるっていうのはとても驚きですね!非常に細いので、通常、ケーブルを敷設する際には何本もの光ファイバを束ねて、ナイロンの被膜で覆ったものを敷設しています。

光ファイバの構造については、以下のサイトがとても参考になります。

「(財)光産業技術振興協会」
http://www.oitda.or.jp/yh/index-yh.htm
『光ファイバの構造を教えて』
http://www.oitda.or.jp/yh/com/answer/Acom3.htm

また、通信機器との接続は光ファイバの端に「光コネクタ」を用いて行います。光コネクタには、「SCコネクタ」や「LCコネクタ」などがあり、接続する機器のインタフェースによって使い分けます。

SCコネクタのサンプル
http://www.totoku.co.jp/products/optical_product/fiber/sc/

LCコネクタのサンプル
http://www.totoku.co.jp/products/optical_product/fiber/lc/index.html

(2)
光ファイバはガラスでできているわけですから、非常に繊細です。無理に曲げてしまうと折れてしまったり、折れなくても通信速度が出なくなったりします。そのため光ファイバを敷設するには、素人ではなく専門の業者に依頼する必要あるので、メタリックケーブルに比べて敷設コストが高くなることが考えられます。

また、光ファイバを接続する通信機器は、とても精密な構造をもっています。そのため、接続する機器のコストもメタリックケーブルを使うものよりもかなり高くなってしまうことがあります。

(3)
よくありがちな料金計算の問題です。通信料金にしろ、こういった機器のリース料金にしろ計算問題は確実な得点源となりますので、間違えないように気をつけましょう。

リースする機器と価格は次のとおりです

ルータ 15万円
ファイアウォール 35万円
プロキシサーバ 50万円
メールサーバ 50万円

合計 150万円

この月額リース料率が2.5%なので、

1500000 × 0.025 = 37500

となります。

最新過去問の解答と詳細解説はGene製作のテクニカルエンジニア(ネットワーク)
平成15,16,17年度分午後問題完全解説集!

詳細はこちら→http://www.n-study.com/library/2006/05/post.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA