平成14年度テクニカルエンジニア(ネットワーク)午後Ⅰ問1設問4解答と解説
目次
解答
原因:
アクセスポイントが故障しても、電波を発信し続けていたため。(29字)
対策:
アクセスポイントの故障時には、電源を落とすようにする。(27字)
解説
この問題も設問3と同じく、問題文に答えとなる情報が記述されているので、問題文をしっかりと読む必要があります。とくに問題文の最後の(2)通信停止の部分を読んでください。
この中で、
監視サーバからアクセスポイントに発行したpingコマンドはタイムアウトになるが、パソコンの無線LAN電波測定ツールによるこのアクセスポイントの測定値は正常であることが分かった。
という記述があります。ここがポイントです。この記述から、トラブルの場所を切り分けることが可能です。
無線LANのアクセスポイントは、LANに接続されています。同じLAN上にある監視サーバからpingを発行しても無線LANアクセスポイントからの応答が返ってきていません。
それに対して、ノートパソコンとアクセスポイントの間の電波は問題なく発信されていることがわかります。アクセスポイントの電波が問題ないことから、ノートパソコンではアクセスポイントの交替処理が機能しなかったわけですね。
ここでアクセスポイントの交替処理についても問題文にきちんと書かれているので、見落とさないようにしましょう。
NPCは、複数の無線LANアクセスポイントから電波を受信できるようにし、強い電波の方を選択する(以下、アクセスポイントの交替処理という)ようにします。
という部分です。
つまり、トラブルの発生場所が無線LANアクセスポイントと通常の有線LANとの間にあると判断できます。具体的なトラブルは何であるかはこの問題文からだけでは分かりませんが、無線LANアクセスポイントのイーサネットインタフェースのトラブルやUTPケーブルのトラブルなどがありそうですね。
そして、アクセスポイントは正常に電波を送信し続けているので、ノートパソコン(の無線LANカード)は、アクセスポイントの交替処理が働かずに、電波の強度が強い故障してしまったアクセスポイントを選択してしまうことになります。
じゃ、きちんとアクセスポイント交替処理をさせるためにはどうすればいいかを考えると、電波を出さないようにすればいいですね。ノートパソコンで、故障したアクセスポイントからの電波を検出しなければ、他のアクセスポイントに切り替えることができるようになるわけです。
以上から、原因と対策をそれぞれ30字以内でまとめると、
原因:
アクセスポイントが故障しても、電波を発信し続けていたため。(29字)
対策:
アクセスポイントの故障時には、電源を落とすようにする。(27字)
となります。
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