レイヤ3スイッチその2(Layer3 Switch part2)

レイヤ3スイッチによるVLAN間ルーティング 同一VLAN

レイヤ3スイッチでのデータの流れはどのようになっているのでしょう?基本的なデータの流れは、ルータとスイッチをトランクリンクで接続したVLAN間ルーティングとまったく同じです。

次の図のように各コンピュータのIPアドレスやデフォルトゲートウェイの設定をしています。外部にルータを接続するときには、VLANに対応したサブインタフェースを作成したのですが、レイヤ3スイッチの内部ルータには、「VLANインタフェース」を作成します。VLANインタフェースとは、各VLANのデータを送受信するためのインタフェースです。

※ちなみに、シスコのCatalystスイッチでは、ここでいうVLANインタフェースのことをSVI(Switched Virtual Interface)と呼んでいます。

ルータによるVLAN間ルーティングと同じように、コンピュータAからコンピュータBへの通信を考えましょう。送信先MACアドレスがBのフレームをスイッチに送ります。同じVLANのMACアドレステーブルからコンピュータBがポート2に接続されていることを判断し、ポート2からフレームを送出します。

レイヤ3スイッチによるVLAN間ルーティング 異なるVLAN

次にコンピュータAからコンピュータCというVLAN間の通信を考えます。送信先IPアドレスからコンピュータAは通信相手が異なるネットワークにいると判断し、デフォルトゲートウェイへデータ(フレーム1)を送ります。

スイッチはMACアドレステーブルから、内部トランクを経由して、内部ルータへフレームを転送します。内部トランクを通るときには、赤VLANの識別情報が付加されています。(フレーム2)

内部ルータは、フレームに付加されているVLAN識別情報から赤VLANのフレームであることがわかるので、赤VLANインタフェースで受信してルーティング処理を行います。目的のネットワーク192.168.2.0/24は、直接接続されているネットワークで青VLANに対応していますから、今度は青VLANインタフェースから内部トランクを通して、スイッチに送出していきます。トランクを経由する際には、フレームに青VLANの識別情報を付加して送出します。(フレーム3)

このフレームを受信したスイッチは、青VLANのMACアドレステーブルエントリからポート3に転送すればいいことがわかります。ポート3は、通常のアクセスリンクであるためにフレーム4のようにVLAN識別情報を取り除いて、ポート3に流します。コンピュータCはスイッチから無事にフレームを受信することができるようになります。

データの流れとしては、外部のルータを使った場合と同じで次のようになります。

送信元→スイッチ→内部ルータ→スイッチ→送信元

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