日経コミュニケーション 2010.1.1 「2010年を大胆予測 通信を変革する5大ムーブメント」
2000年代の最初の10年は、インターネットの爆発的な普及が一番印象に残っています。特に日本では、低価格で高速なインターネットへの常時接続があたり前になって、それに伴っていろんなアプリケーションやサービスが展開されています。今年、2010年からの10年間でも、通信分野にはとてもドラスティックな変化が起こってくるでしょう。これからの通信の未来像を予測する特集が、今回取り上げた記事です。
次の5つのムーブメントという形で、これからの通信技術について予測しています。
- ハイブリッド・ワイヤレス
- 端末エクスプロージョン
- タクトフル・ネットワーク
- メリハリ・クラウド
- ICTグローカリゼーション
造語ばっかりで、「なんじゃ、こりゃ」と一瞬思いますが・・・
ハイブリッド・ワイヤレスとは、複数の無線回線を透過的に使い分けることができるようにしましょうという動きだそうです。携帯電話、無線LAN、WiMAXなどを状況に応じて、最適に使い分けさせることを指しています。
端末エクスプロージョンは、ネットワークにつながる端末がPCや携帯電話だけでなく、爆発的に増えていくという動きを意味しているそうです。GoogleのAndoroidがこの端末エクスプロージョンの動きに拍車をかけていくみたいです。
タクトフルとは、機転が利くという意味だそうです。家電など家庭内の機器がネットワークにつながり、さまざまな制御を行うことを指しているみたいですね。端末エクスプロージョンとタクトフル・ネットワークはかなり関連性が高いように感じました。
メリハリ・クラウドは、いろんなクラウドサービスの使い分けですね。クラウドサービスも多種多様なものが提供されるようになってくるでしょう。企業ネットワークのニーズは千差万別で、また、時間とともに変わっていくことも考えられます。最適なクラウドサービスを選んで、柔軟なシステムを構築することがポイントになってくると思います。
最後のICTグローカリゼーションとは、新興国への通信事業者の進出についての動きです。日本は少子高齢化まっしぐらで、通信インフラもかなり整備されているので、通信事業者の成長も頭打ちになってしまうかもしれません。一方、新興国は通信インフラの整備がまだまだ必要です。海外市場への進出に、日本の通信事業者は活路を見いだしていく必要がありそうです。
個人的に一番興味深かったのが端末エクスプロージョンです。
身の回りのありとあらゆるものが、これからネットワークに接続されていくことになりそうで、SF小説の世界のようです。ただ、身の回りのいろんなものがネットワークにつながって便利になりそうですけど、技術者ではない一般ユーザの方は家庭内でトラブルが起こった際の対応をどうするんでしょう???たとえ、技術者ではない一般ユーザでもLANやTCP/IPの基本的な仕組みを学ぶ必要が出てきそうです。
一通り各ムーブメントについて読んでみると、知らないことがいっぱいあって勉強になりました。いつもの横の方にある用語解説以外に、特に重要な用語は別枠で解説があるのもよかったです。限られたページ数なので、それぞれのムーブメントの核となる技術の仕組みなどの詳細はよくわかりません。でも、自分の興味のアンテナの精度を高めるためにはとても役に立ちました。