IPv6ヘッダフォーマット
目次
IPv6ヘッダフォーマット
IPv6のヘッダフォーマットは次の図のようになります。
IPv4に比べるとヘッダサイズ自体は、20バイトから40バイトに増えているものの、ヘッダに含まれるフィールド数は12個から8個に減っています(オプション含まず)。フィールド数が減っているので、ルータやスイッチでIPv6パケットを転送するときに要する処理負荷を小さくすることができます。
以下で、IPv6ヘッダの各フィールドについて解説します。
IPv6ヘッダの各フィールド
「バージョン」(4ビット)
バージョンには、バージョン番号が入ります。IPv6では、「6」です。
「トラフィッククラス」(8ビット)
IPv4ヘッダのTOS(Type Of Service)フィールドに相当します。トラフィッククラスフィールドでIPv6パケットの優先度をつけることができます。
「フローラベル」(20ビット)
フローラベルは、IPv6で新たに定義されたフィールドで、アプリケーションフローを識別する用途を想定しています。フローラベルの仕様は、RFC3697で規定されています。
RFC 3697 – IPv6 Flow Label Specification
「ペイロード長」(16ビット)
ペイロード長は、ヘッダを除いたパケットの残りのサイズを表します。IPv4ではデータグラム長として、ヘッダ+データの長さを表していました。しかし、IPv6ではヘッダを除いたデータの長さをペイロード長としてヘッダに記述しています。
「次ヘッダ」(8ビット)
IPv4のプロトコル番号に相当するフィールドです。IPv6ヘッダの次のヘッダ、つまり、上位のプロトコルのヘッダ、またはIPv6拡張ヘッダを表します。
「ホップリミット」(8ビット)
IPv4ヘッダのTTLに相当するフィールドです。ルータやレイヤ3スイッチでIPv6パケットがルーティングされるたびに1減らされ、0になるとパケットが破棄されます。
「送信元IPアドレス」(128ビット)
パケットの送信元IPv6アドレスです。
「送信先IPアドレス」(128ビット)
パケットの送信先IPv6アドレスです。
以上の8つのフィールドがIPv6ヘッダで、必要に応じて、拡張ヘッダが付加されます。拡張ヘッダによって、送信先までに経由する経路を指定したり、フラグメント処理を行ったりすることができます。