日経NETWORK 2005.1 『Skypeの動きを知る P78~83』 by Gene

日経NETWORK 2005.1 『Skypeの動きを知る P78~83』 by Gene

Skype(スカイプ)は、去年だいぶ有名になりましたね。こないだライブドアがSkypeと提携して「Livedoorスカイプ」を発表してから、さらに多くのユーザが利用していると思います。
前に、「NETWORK MAGAZINE」でも、Skypeの仕組みについての記事があってレビューしたことがありました。「日経NETWORK」でもSkypeについて詳しく取り上げているのが、今回の記事です。

参考 「NETWORK MAGAZINE 2004.12 『Skype大解剖 P136~141』 by Gene」

いつも「日経NETWORK」を読んでいて思いますが、ポイントがしっかりとまとまってわかりやすい記事が多いです。今回のSkypeの記事も、とてもわかりやすくまとまっている記事の一つだと思います。P79の図でSkypeの仕組みをざっと表していて、その中にSkypeのポイントとそのポイントを実現するためのSkypeの技術を対応付けています。

ポイントと技術の対応は次のように書いています。

ポイント1
Skype同士の通話なら無料。加入電話への通話も安い。

技術1
Skypeが用意するサーバーを最小限にするために、P2P技術でユーザー管理をSkypeユーザーのパソコンにまかせる

ポイント2
インストールは簡単。ほとんど設定なしで、ブロードバンドルータやファイアウォールをまたいだ通信ができる。

技術2
ルータのクセを利用して直接通話を試みる。直接通話ができない場合、ほかのサーバー経由で通話する

ポイント3
通信条件の悪い環境でも通話品質が悪くなりにくい。

技術3
通話中に通信経路を切り替える。また、利用できる帯域によって音声圧縮率を変える

P79の図と上記のSkypeのポイントとそれを実現するためのSkypeの技術を読めば、「Skypeとは何だ?」「Skypeにはどんなメリットがあるのか?」ということに関しての知識を得られる構成です。で、その後にこの3つのポイントと技術をより詳しく解説しています。

ぼくが何かを説明するときには、どちらかというと文章の流れの中で、疑問を提起してそれを解決するためにこういうことがあるんだよ~っていう書き方をすることが多いです。こういう書き方も、有効なところは多々あると思っていますが、やっぱりテクニカルな文章は、先にポイントを明確にしておいた方がわかりやすいですね。テクニカルな文章の書き方の参考にもなります。

では、具体的な内容のところをちょっと見てみます。
最初のポイント1に関しては、Skypeの認証サーバ、クライアントとスーパーノードを使ったSkypeでの通話の仕組みを解説しています。P2Pの通話を実現するために、Skypeのネットワークに接続しているクライアントの情報が必要ですが、全クライアントを集中管理しようとすると、すぐに拡張性の問題が出てきます。そこで、ユーザを管理するための特別なスーパーノードというクライアントをユーザのコンピュータの中から選んで、管理させるという仕組みです。
スーパーノードのような仕組みは、これから増えてくるであろうP2P技術の核になってくるものだと思います。

そして、ポイント2に関して、P2Pでの泣き所のルータのNAT越えをSkypeはどうやっているかということです。ま、NAT越えにはNATトラバーサルやUPnP(Universal Plug and Play)によって解決できますが、機器が対応していないと使えません。そこで、特殊な仕様をサポートしている機器がなくても、NAT越えができるように、Skypeではリレーサーバによって、パケットを中継する仕組みを備えています。
リレーサーバもスーパーノードのように勝手に選ばれて、ユーザは自分がリレーサーバであることを意識しません。特別な設定は一切いらず、NAT越えもできるようになっています。

最後のポイント3がSkypeの最大の秘密だと思っています。ぼくも使ってみる前までは、どうせたいした音声品質じゃないだろと思っていたのですが、まったく問題ない音声品質でした。携帯電話よりもいいぐらい。Skypeはクリアな音声品質を保つために、かなりいろんな技術を使っているんだと思います。このところを詳しく知りたいなぁって思っていますが、情報は開示されていないようで、記事の中でも簡単に次の2つのことに触れているだけでした。
Skypeでは音声品質を保つために、

  • 音声符号化速度を最適化
  • 通信路を複数確保して通信路を最適化

しているそうです。

Skypeをこれから使ってみたいという方は、ぜひ日経NETWORKのこの記事を読まれることをオススメします。ちなみに、ぼくのSkypeユーザIDは「gene_survive」です。Skype使っている方は、よかったらコンタクトリストに入れてくださいね。

「日経NETWORK」の詳細と購読申し込みはココをクリック!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA