ブリッジ(その他の機能&まとめ)
目次
ブリッジのその他の機能
前回まででブリッジの主要な機能について見てきましたね。今回はその他にブリッジが行っている機能ついて説明します。
エラーチェック
>イーサネットのフレームには最後に「CRC」というフィールドがあります。これは正しくビットが構成されているかというエラーチェックを行うために使っています。CRCは(Cyclic Redundant Check)の略でパリティチェックよりも信頼性の高いエラーチェックを行うことができます。
このCRCチェックを行うためにブリッジはポートから入ってきたフレームをいったんメモリに保存しています。エラーチェックを行ってからエラーがないフレームをMACアドレステーブルと照合していきます。もし、CRCでエラーが検出されるとそのフレームは破棄されます。
転送方式
ブリッジの転送方式は、いったんフレームを全部読み込んでから転送処理を行っています。これをストア&フォワード型といいます。いったんストアすることによって通信速度の変換や異なるLAN規格のネットワークを接続することができます。
速度変換
以前、ハブのところでデュアルスピードハブというのがありますよ~と少しだけ紹介しました。実はデュアルスピードハブは内部的にブリッジの構造をもっています。10Mbpsと100Mbpsはビット列を電気信号に変換する変換方法が違うのですが、内部のブリッジが受け取ったデータをストアして転送するポートの通信速度にあわせた電気信号に変換しています。
異なるLAN規格のネットワークを接続
ブリッジを使うと異なるLAN規格のネットワークを接続することができます。異なるLAN規格というのは、たとえば、イーサネットとトークンリングを接続する場合などです。こういったブリッジをトランスレーションブリッジといいます。トランスレーションブリッジによって各ネットワークにあったヘッダに変換されます。トランスレーション(translation)は「変換」「翻訳」といった意味ですね。また、イーサネット同士のように同じLAN規格同士を接続するブリッジはトランスペアレントブリッジといいます。
接続台数
そして、転送先のポートではきちんとCSMA/CDにしたがって転送を行います。ハブやリピータはCSMA/CDもなにも考えませんでした。そのため衝突が正しく検出できない恐れがあるので接続できる台数が決まっています。
しかし、ブリッジではCSMA/CDにしたがうので接続する台数が多くなってもきちんと衝突の検出を行うことが可能です。ですから、ブリッジの接続台数に制限はありません。(でもいまどきブリッジを何台も使ってネットワークを構成するコトなんてしません・・・)
セキュリティ
ポートに登録されるMACアドレスをあらかじめ設定しておくことによってセキュリティを高めることができます。ただしMACアドレスベースでセキュリティを考えるよりは、ルータでIPアドレスやポート番号によってセキュリティを高める方がより細かく制御できるので、あまりこういった使い方はしません。(もっともブリッジ自体いまではほとんど使うことはないですけど・・・)
などなどの機能があります。
ブリッジの機能のまとめ
ブリッジのまとめを簡単に・・・
- OSI第2層データリンク層で動作する。つまりデータリンクレベルのヘッ
ダ(イーサネットならイーサネットヘッダ)を解釈することができる。 - コリジョンドメインを分割する。
- ブロードキャストドメインは分割できない。
- スパニングツリーによってネットワークのループを回避
- CRCのエラーチェックを行う
- ストア&フォワード型の転送方式により、速度変換やネットワーク規格
の変換を行うことができる。 - 何台でも接続できる。(もっともいまの時代はそんなことしない・・・)
- MACアドレスベースのセキュリティを実装できる。(でも、いまはルータ
でもっときめ細かいセキュリティを実現しちゃう・・・)
ブリッジの機能はざっとこんなところですね。けど、何度か触れていますがいまどきブリッジを使ってネットワークを構築することなんてまずありません。「じゃぁ、なんでこんなにブリッジの説明を何号にもわたってやっているの?」って思いますよね?
その理由は、このブリッジの機能はスイッチの機能の基本的なものとほとんど同じです。スイッチの基本的な機能を理解するのに役に立つのでブリッジについて説明しています。スイッチはルータが終わった後くらいかな?