IPアドレッシングを基本から復習しましょ! その4

サブネットマスク

IPアドレスを設定するときにアドレスだけではなく、サブネットマスクも一緒
に設定します。サブネットマスクは、ネットワーク技術の勉強をし始めたころ
はとてもわかりにくいものなんじゃないかなと思います。

サブネットマスクの定義は、

「ネットワークアドレスとホストアドレスの区切りを示す32ビットのビット列」

です。

サブネットマスクのビット「1」の部分がネットワークアドレスで、ビット「0」
の部分がホストアドレスです。

例をひとつ考えましょう。次の図のように2進数のビットであらわしたIPアド
レスとサブネットマスクを縦に並べてみるとサブネットマスクのビット「1」に
対応する部分がネットワークアドレスです。そして、サブネットマスクのビッ
ト「0」に対応する部分がホストアドレスになります。

IPアドレスについて、勉強したてのころ、このような定義を暗記して、わかっ
た気になっていたんですが、そもそも「なんでサブネットマスクが必要なのか」
ということをきちんと理解していませんでした。

というのも、IPアドレスの勉強をすると、まずクラスについて出てきます。そ
して、クラスごとにネットワークアドレスとホストアドレスの区切りは決まっ
ているという説明があります。クラスでネットワークアドレスとホストアドレ
スの区切りが決まっているのに、どうしてわざわざサブネットマスクなんて必
要なのかがよくわかっていませんでした。

ただ、サブネットマスクはこういうものとして覚えていただけのような感じで
す。

サブネットマスクの必要性

では、ここであらためてサブネットマスクの必要性を考えましょう。

「なぜ、サブネットマスクが必要なのか???」

それは、

「クラスレスアドレッシングを行うようになったから」

です。

サブネットマスクは、ネットワークアドレスとホストアドレスの区切りを明示
するわけです。言い換えると、ネットワークアドレスとホストアドレスの区切
りを明示する必要が出てきたので、サブネットマスクが必要になったといえま
す。

本来、クラスによってネットワークアドレスとホストアドレスの区切りが決ま
っているはずが、そうではなくなってきたということです。前回、解説したよ
うにクラスによる8ビット単位のネットワークアドレスとホストアドレスの区
切りでは、アドレスの利用効率が悪くなります。そこで、現在では一般的にク
ラスごとの8ビット単位のネットワークアドレスとホストアドレスの区切りに
とらわれないクラスレスアドレッシングが行われています。
クラスレスアドレッシングでは、IPアドレスを見ただけでは、ネットワークア
ドレスとホストアドレスの区切りがわかりません。きちんとネットワークアド
レスとホストアドレスの区切りを明示しなければいけなくなるわけです。その
ために、サブネットマスクが必要になります。

サブネットマスクのルール

さて、サブネットマスクの必要性を理解していただいた上で、サブネットマス
クのルールについて考えます。

サブネットマスクには、

「必ず連続した「1」のあとに連続した「0」のビットパターンになる」

というルールがあります。
たとえば、

「11111111 011111111 11111111 00000000」

のように途中で「1」と「0」がまざってしまうビットパターンのサブネットマ
スクはありません。
このようなビットパターンについてのルールがあるので、次で解説するプレフ
ィクス表記が成り立つようになります。

サブネットマスクの表記

サブネットマスクは、IPアドレスと同じく32ビットのビットです。32個も「1」「0」
が並ぶのは、とてもわかりにくいものです。そこで、わかりやすいサブネット
マスクの表記として、次の2つがあります。

  • ドット付き10進表記
    IPアドレスと同じく、8ビットずつを10進数であらわして「.(ドット)」で区
    切る表記です。
    Windows XPでのTCP/IPの設定はドット付き10進表記でサブネットマスクを表
    しています。
  • プレフィクス表記
    連続するビット「1」の数によってサブネットマスクを表します。/(スラッシュ)
    のあとに先頭からいくつビット「1」が連続しているかを表します。

クラスレスなアドレッシング環境では、IPアドレスと一緒に必ずサブネットマ
スクも記述する必要があります。ドット付き10進表記で書くのはちょっと面倒
なので、プレフィクス表記で書いているのが多いでしょう。ルータのルーティ
ングテーブルでも、プレフィクス表記で書いている例が多くなっています。


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