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ネットワークインフラストラクチャとネットワークアーキテクチャ
ネットワークインフラストラクチャとネットワークアーキテクチャの関連についてまとめておきましょう。ネットワークインフラストラクチャは、電気信号や光信号といった物理的な信号を伝えていくためネットワークそのものの動作を行います。ネットワークインフラストラクチャは、ルータ、レイヤ2スイッチ、レイヤ3スイッチなどさまざまなネットワーク機器で構成していますが、抽象化して雲のアイコンで表現します。
そして、ネットワークインフラストラクチャにどんなユーザを接続させるかによって、企業の社内ネットワークのようなプライベートネットワークとオープンネットワーク(インターネット)にわかれます。インターネットは、接続できるユーザに制限がありません。誰でも接続できるので、中には悪意を持つユーザも存在します。PCなどをネットワークインフラストラクチャに接続するには、イーサネットなどのネットワークインフラストラクチャを構築する技術に対応したインタフェースが必要です。
ネットワークインフラストラクチャは、データを物理的な信号に変換して伝えていくためのものです。重要なのはデータの中身です。データの中身をつくり上げて転送するためにいろんな決まり事が必要です。通信を行うための決まり事がプロトコルで、さまざまな役割を果たすプロトコルを階層的にまとめたものがネットワークアーキテクチャです。
現在、ネットワークアーキテクチャとして広く一般的に利用されているのはTCP/IPで、ネットワークの共通言語と言えます。ネットワークインフラストラクチャに接続しているPCやサーバなどは、TCP/IPにしたがって通信を行います。TCP/IPのネットワークアーキテクチャは、OSに組み込まれています。
データの中身を作るのはアプリケーション
ネットワークアーキテクチャは、あくまでもプロトコルの集まりです。データの中身そのものではありません。重要なデータの中身を作っているのは、Webブラウザなどのアプリケーションです。
アプリケーションのデータをアプリケーション間でやり取りできるようにするために、TCP/IPの各階層のプロトコルを組み合わせています。アプリケーションのデータに、いろんなプロトコルのヘッダでカプセル化します。そして、物理的な信号に変換されてネットワークインフラストラクチャを構成するネットワーク機器によって、適切な宛先まで転送されます。
ネットワーク上の通信と人間同士の会話の対比
ネットワーク上の通信を普段の私たち人間同士の会話にたとえて考えてみましょう。会話で一番重要なことは、伝える話題です。ネットワーク上の通信で、会話での相手に伝えたい話題に相当するのがアプリケーションのデータです。
そして、話題は言語に基いています。言語に相当するのがネットワークアーキテクチャです。
さらに、話題は声として空気の振動、すわなち物理的な信号に変換されて伝えられていきます。ネットワーク上の通信で、声を伝えていくのに相当するのがネットワークインフラストラクチャです。PC/サーバ/スマートフォンなどをネットワークインフラストラクチャに接続するインタフェースは、声を発する口と声を聞くための耳に相当します。
人間同士の会話は声が伝わる範囲でしかできませんが、ネットワークの通信は、ネットワークインフラストラクチャにつながっていれば、どんなに物理的な距離が離れていても、ほぼリアルタイムで可能です。