目次
概要
Inter Frame Space(IFS)は、無線LANのフレームを送信するときの連続したフレーム間の特定の時間間隔です。IFSにはいくつかの種類があり、IFSで次に期待するWi-Fiフレームを示しています。このページではIFSについて解説します。
IFS(Inter Frame Space)とは
無線LANのフレームを送信するときには、フレームとフレームの間にある特定の時間間隔を空ける必要があります。フレーム間の時間間隔をIFS(Inter Frame Space : フレーム間スペース)と呼びます。
IFSの種類
IFSにはいくつか種類があり、値が小さいものから順に以下に挙げます。
- Reduced Inter Frame Space (RIFS)
- Short Inter Frame Space (SIFS)
- PCF Inter Frame Space (PIFS)
- DCF Inter Frame Space (DIFS)
- Arbitration Inter Frame Space (AIFS)
- Extended Inter Frame Space (EIFS)
IFSの実際の値は、Wi-Fiネットワークの伝送速度によって決まります。重要なのはいろんな種類のIFSの並びです。フレームの種類によって、そのフレームを送信する前にどのIFSだけ間隔を空けるかが決まります。つまり、IFSは次に期待するWi-Fiフレームと言い換えることができます。そして、IFSの値が小さいほど優先されるWi-Fiフレームです。特定のWi-Fiフレームを優先するときには、そのWi-Fiフレームの前に空けるIFSとして小さい値のIFSにすれば優先的に転送できます。
DIFSとSIFS
最もよく見かけるIFSは、DIFSとSIFSです。通常のWi-Fiデータフレームを送信する間にDIFS空けます。また、ACKフレームを送信する前にSIFS空けます。
Wi-Fiデータフレーム : DIFS
ACKフレーム : SIFS
DIFSよりもSIFSの方が小さい値です。つまり、データフレームよりもACKフレームの送信のほうが優先されます。Wi-Fiのデータフレームは必ずACKフレームによる確認応答することを思い出しましょう。ACKフレームの確認応答が他のデータフレームに邪魔されないために、ACKフレームではSIFSを採用しています。
まとめ
ポイント
- IFS(Inter Frame Space)とは、Wi-Fiフレームの間に空ける特定の時間間隔です。
- 通常のWi-Fiデータフレームの前はDIFS空けます。ACKフレームの前はSIFS空けます。
- DIFSよりもSIFSの方が短いので、ACKフレームは通常のWi-Fiデータフレームよりも優先されます。
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