概要

ルーティングテーブル上のルートを監視して、ISDNの発呼を制御するダイアラーウォッチの設定例です。

ネットワーク構成

Cisco ISDNダイアラーウォッチの設定例 ネットワーク構成

なお、ダイアルするための基本的な設定は完了しているものとします。また、ルーティングプロトコルはOSPFを利用し、R2の電話番号は03-3802-xxxxです。

ダイアラーウォッチの設定(R1)

R1のダイアラーウォッチの設定は、以下の通りです。

R1

dialer watch-list 1 ip 192.168.2.0 255.255.255.0
!
interface bri 0/0
 dialer watch-group 1
 dialer map ip 192.168.2.0 name R2 broadcast 033802xxxx

この設定について、以降で簡単に解説します。

監視ルートの指定

ダイアラーウォッチの設定は、まず監視するルートをdailer watch-listコマンドによって指定します。グローバルコンフィグレーションモードで次のコマンドを入力します。

ダイアラーウォッチリストの設定(config)#dialer watch-list <list-num> ip <ip-address> <subnet-mask>

<list-num> : ダイアラーウォッチリスト番号
<ip-address> <subnet-mask> : 監視するルート情報のネットワークアドレス/サブネットマスク

ルーティングテーブルに載せられているルートと同じネットワークアドレス、サブネットマスクを指定します。複数のルートを指定することもできます。複数のルートを監視しているときは、監視しているすべてのルートがダウンしたらダイアラーウォッチによるダイアルを行います。

サンプルのネットワーク構成では、R1のルーティングテーブルには、プライマリ回線を経由してOSPFで学習している192.168.2.0/24が載せられています。プライマリ回線がダウンすると、このルートがなくなるので監視するルートとして192.168.2.0/24を指定すればよいです。そのため、R1のダイアラーウォッチリストの設定は以下です。

dialer watch-list 1 ip 192.168.2.0 255.255.255.0

ダイアラーウォッチをインタフェースで有効にする

次にインタフェースにdialer watch-listを関連付けます。そのために、ダイアルするインタフェースにおいて次のコマンドを入力します。

ダイアラーウォッチリストの関連付け(config)#interface <interface-name>
(config-if)#dialer watch-group <list-num>

<interface-name> : インタフェース名
<list-num> : 関連付けるダイアラーウォッチリストの番号

つまり、R1のBRI0/0インタフェースで次のようにdialer watch-listを関連付けます。

R1
interface bri 0/0
 dialer watch-group 1

ダイアル情報の設定

ISDNの発呼先のダイアル情報を設定します。レガシーDDRでのダイアラーウォッチ設定の際には、監視しているルートのネットワークアドレスに対してのdialer mapコマンドが必要です。これは、ダイアラーウォッチをトリガーとして、ダイアルするときのダイアル先を決めなければいけないからです。

R1

interface bri 0/0
 dialer map ip 192.168.2.0 name R2 broadcast 033802xxxx