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IPアドレスの概要
IPアドレスとは、TCP/IPにおいて通信相手となるホストを識別するための識別情報です。TCP/IPの通信を行うときのデータには、IPヘッダを付加してIPパケットとします。IPヘッダには、宛先IPアドレスと送信元IPアドレスを指定しなければいけません。何度か述べていますが、TCP/IPの通信では、IPアドレスを必ず指定しなければいけないということに注意してください。
IPアドレスは、ホストの識別のための情報ですが、設定するときにはイーサネットなどのインタフェースに関連付けて設定します。IPのプロトコルはホストのOSで動作しています。そして、ホスト内部でインタフェースとIPのプロトコル部分を関連付けて、IPアドレスを設定しているようなイメージで考えてください。
イーサネットのインタフェースはMACアドレスで特定します。そして、ホストはIPアドレスで特定します。ホストへデータ(IPパケット)を送り届けるためには、イーサネットインタフェースまで転送しなければいけません。そこで、IPアドレスとMACアドレスを関連付ける必要があります。IPアドレスとMACアドレスの関連付けは、ARPで行っています。
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PCには複数のインタフェースを搭載することもできます。ノートPCには有線のイーサネットインタフェースと無線LANのインタフェースが搭載されていることが多く、インタフェースごとにIPアドレスを設定することができます。そのため、IPアドレスはホストそのものではなく、ホストのインタフェースを識別するというのが正確なところです。
IPアドレスの表記
IPアドレスは32ビットなので、「0」と「1」が32個並ぶことになります。ビットの羅列は人間にとってわかりづらいので、8ビットずつ10進数に変換して「.」で区切る表記をします。8ビットの10進数は0~255なので、0~255の数字を「.」で区切って4つ並べたものがIPアドレスの一般的な表記です。この表記は「ドット付き10進数表記」と呼びます。
IPアドレスのポイント
- IPアドレスとは、TCP/IPで通信相手を識別するための32ビットの情報
- TCP/IPの通信では、ユーザに意識させないようにしているが、必ずIPアドレスを指定している
- IPアドレスは8ビットずつ10進数に変換して.(ドット)で区切る「ドット付き10進数表記」で表記する
IPアドレッシング
- IPアドレスとは?
- なぜIPアドレスだけでなくMACアドレスも必要なの? ~IPアドレスとMACアドレスの違い~
- 通信の用途とIPアドレス ~宛先は1つ?それとも複数?~
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- クラスレスアドレス ~区切りを好きなところに~
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