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IGMPの概要
IGMP(Internet Group Management Protocol)はマルチキャストレシーバがラストホップルータへマルチキャストグループへの参加、脱退を通知するためのプロトコルです。
マルチキャストソースとマルチキャストレシーバが同じサブネットに接続されている場合は、IGMPは特に必要ありません。しかし、マルチキャストソースとマルチキャストレシーバが異なるサブネットに接続されている場合が多いでしょう。この場合、ディストリビューションツリーを作成する必要があります。
マルチキャストレシーバが自身のマルチキャストグループの参加をIGMPでラストホップルータへ通知することにより、ラストホップルータはレシーバの存在を認識します。そして、レシーバへマルチキャストパケットをルーティングするために、マルチキャストルーティングプロトコルと連携してディストリビューションツリーの作成を行っていくことになります。
また、IGMPによってマルチキャストレシーバがグループから脱退するということもラストホップルータへ通知することができます。
IGMPには、v1、v2、v3と3つのバージョンがあります。ここでは、v2を中心に解説します。
IGMPv2のフォーマット
IGMPはIPでカプセル化されて転送されます。IPヘッダのプロトコル番号は2です。IGMPのフォーマットは次の図のようになります。
IGMPのフォーマットの各フィールドは次のような意味があります。
タイプ
IGMPメッセージタイプを表します。
0x11:メンバーシップクエリー
0x12: v1メンバーシップレポート
0x13: v2メンバーシップレポート
0x17:リーブグループ
最大応答時間
クエリーを受信してからメンバーシップレポートを返すまでの最大の遅延時間
チェックサム
エラーチェック用
グループアドレス
マルチキャストグループアドレス
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