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不等コストロードバランスとは
同じネットワークに対して複数のルートがある場合は、FDが最小のルートがサクセサになります。もし、FDが最小のルートが複数ある場合は、複数のサクセサが選ばれて、ルーティングテーブルに複数のEIGRPルートが登録されます。これは、等コストロードバランスです。OSPFやRIPと同様にEIGRPでも等コストロードバランスによる負荷分散が可能です。
さらに、EIGRPでは不等コストロードバランスもサポートしています。不等コストロードバランスによって、サクセサだけでなく、フィージブルサクセサもルーティングテーブルに登録できるようになります。不等コストロードバランスを行うためには、varianceと呼ばれる係数を設定します。すると、以下の条件に当てはまるフィージブルサクセサもルーティングテーブルに登録できます。
不等コストロードバランスの条件
フィージブルサクセサのFD < サクセサのFD * variance
なお、ルーティングテーブルにサクセサとフィージブルサクセサが登録されていても、IPパケットをルーティングするために同じように利用するわけではありません。サクセサを優先して利用します。
不等コストロードバランスの例
以下のネットワーク構成で不等コストロードバランスの例を考えます。
R1から192.168.1.0/24への経路は3つあります。そのうちFDが最小のR2経由のルートがサクセサです。R3経由、R4経由のルートはフィージビリティ条件を満足しているのでフィージブルサクセサです。
R1で不等コストロードバランスとして、variance = 2の設定を行ったとします。すると、最小のFDである25*2=50までのFDを持つフィージブルサクセサもルーティングテーブルに登録できます。つまり、R1のルーティングテーブルには192.168.1.0/24のルートとしてR2経由のルートに加えて、FDが30であるR3経由のルートも登録します。
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