ある刺激に対して複数の感覚が混じることを共感覚と言います。たとえば、共感覚を持つ人にとっては数字に色を感じたり、音に色を感じたりするそうです。
共感覚を引き起こすメカニズムははっきりとは解明されていませんが、「クロス活性化」説があります。脳の中で色彩情報を処理する領野(領域)であるV4と数字の視覚的な外形を表象する領野が隣接しています。
脳の中でなんらかの偶然でクロス配線が生じていて、ある刺激に対して複数の感覚が起こってくるのではないかというのがクロス活性化説です。
こうした共感覚は一部の特別な人だけが持っているものでしょうか?どうやらそうではないみたいです。ほとんどの人は共感覚を持っているようです。それを示しているのが「ブーバ/キキ」実験です。
次の2つの図形は「ブーバ」と「キキ」を表しています。
あなたは、どちらが「ブーバ」でどちらが「キキ」だと思いますか?
驚くべきことに、ほとんどの人はぐにゃぐにゃした方を「ブーバ」、ギザギザした方を「キキ」と答えます。ギザギザしているのは「K」を連想するからだと言われることもありますが、英語が母国語ではない人も同じように答えるんです。
母国語にも年齢にも性別も関係なく、やはりぐにゃぐにゃを「ブーバ」、ギザギザを「キキ」と答えるのです。
これは、視覚的なイメージと音感が脳の中で混ざり合っている共感覚のひとつの例だと思われます。