日経コミュニケーション 2010.1.15 KDDIの次世代ネットワーク

(所属カテゴリー:日経コミュニケーション---投稿日時:2010年1月29日)

概要

KDDIの次世代ネットワークの概要を紹介

対象

NTTのNGN以外の次世代ネットワークに興味がある方

レビュー

NGN(Next Generation Network)とは、一般的にIPをベースとした音声、動画、データ通信を融合したサービスを提供するネットワークインフラです。特定のキャリアに限った話ではありません。でも、クローズアップされるのは「NTTの」NGNばかりです。日経コミュニケーションにこれまで何度もNGNの特集がありましたが、ほとんどNTTのNGNについてのものばかり。「NTT以外の」NGNについて特集を組んでいるのは、とても珍しいです。

KDDIのNGNのコンセプトとしてFMBC(Fixed Mobile Broadcast Convergence)を打ち出しています。固定・移動・放送を融合した一体型のサービスを提供可能なインフラというのが特徴のようです。規制によって、固定・移動が分かれているNTTに比べて、KDDIの強みを活かしたコンセプトですね。

KDDI FMCからFMBCへ
http://www.kddi.com/corporate/kddi/rinen/fmc/about.html?cid=42001-00032

こうしたKDDIのNGNについて、

Part1:コアネットワーク
Part2:移動アクセス
Part3:固定系サービス

の3つのパートに分けて、概要を解説している特集です。

個人的に一番面白かったのはPart1のコアネットワークの構成です。コアネットワークは、「統合IPネットワーク」または「統合IP網」と呼ばれています。まだ完全に移行していないようですが、2010年3月には統合IPネットワーク上ですべてのサービスを提供できるようになる予定だそうです。統合IPネットワークは、MPLSによって構築されています。いろんなサービスを統合IPネットワーク上で提供するためには、絶対的な信頼性が必要でしょう。MPLSのFRR(Fast ReRoute)などの機能を活かして、信頼性の高いインフラを構 築するのがMPLS採用の動機です。
統合IPネットワークのバックボーンを構成する機器はSIN(Service Integrattion Node)と呼ばれていて、これらの配置にもかなり信頼性を考慮していることが紹介されています。「ダブル・ラダー構造」というハシゴを2段並べたような構成で機器を配置して、各SINから他のSINに接続される回線を冗長化しています。立体的な冗長化とでもいうような構成で、「落ちない」バックボーンを構成するといった工夫がされています。ダブル・ラダーでの障害時に切り替えの仕組みはとても面白そうです。正常時には負荷分散もやっていると思います。できれば、その仕組みについて少し解説があるとうれしかったです。(たぶん、外に出せるようなものじゃないんでしょうけど・・・)
このコアネットワークをベースとして、Part2ではこれからの移動アクセスサービス、Part3では固定アクセスサービスの概要があります。

冒頭でも触れましたが、NTT以外のNGNについて情報が集約されている特集は、とても珍しく貴重だと思います。
KDDIときたら、次はソフトバンクの取り組みについても知りたいですね。そして、代表的なキャリアのNGNの比較ができるような記事をこれからの日経コミュニケーションで取り上げて欲しいです。


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