目次
概要
Ciscoルータでのバーチャルリンクの設定例です。バーチャルリンクによって、仮想的にバックボーンエリアに接続します。
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バーチャルリンクの用途やCiscoでの設定と確認コマンドについて、以下の記事も合わせてご覧ください。
ネットワーク構成
初期設定
ネットワーク構成に示しているエリアでの設定が完了している状態から進めます。
設定と確認
Step1:バーチャルリンク設定前のルーティングテーブル
バーチャルリンクを設定する前のルーティングテーブルを確認します。エリア0のR1でshow ip routeコマンドでルーティングテーブルを見ると、以下のようになります。
R1
R1#show ip route ~省略~ Gateway of last resort is not set 10.0.0.0/24 is subnetted, 3 subnets C 10.0.12.0 is directly connected, FastEthernet0/0 O IA 10.23.23.0 [110/20] via 10.0.12.2, 00:00:01, FastEthernet0/0 C 10.0.1.0 is directly connected, Loopback0
バーチャルリンクの設定を行う前は、エリア0に接続していないエリア34のルート情報を学習できていません。当然、エリア34のネットワークとの通信ができません。
Step2:バーチャルリンクの設定
エリア34をバックボーンエリアに接続するために、バーチャルリンクを設定します。バーチャルリンクを設定するルータは、R2とR3です。バーチャルリンクを設定するR2とR3が共通して所属するエリア23がトランジットエリアです。
R2
router ospf 1 area 23 virtual-link 3.3.3.3
R3
router ospf 1 area 23 virtual-link 2.2.2.2
Step3:バーチャルリンクの確認
バーチャルリンクが正常に機能していることを確認します。R2でshow ip ospf virtul-linksコマンドを見ます。
R2
R2#show ip ospf virtual-links Virtual Link OSPF_VL0 to router 3.3.3.3 is up Run as demand circuit DoNotAge LSA allowed. Transit area 23, via interface FastEthernet0/1, Cost of using 10 Transmit Delay is 1 sec, State POINT_TO_POINT, Timer intervals configured, Hello 10, Dead 40, Wait 40, Retransmit 5 Hello due in 00:00:08 Adjacency State FULL (Hello suppressed) Index 2/3, retransmission queue length 0, number of retransmission 0 First 0x0(0)/0x0(0) Next 0x0(0)/0x0(0) Last retransmission scan length is 0, maximum is 0 Last retransmission scan time is 0 msec, maximum is 0 msec
R2-R3間でバーチャルリンクを確立することで、エリア0が拡張されます。エリア34もエリア0に接続していることになり、エリア34のルートも正常に学習できます。R1からエリア34の10.34.4.0/24へPingすると応答が返ってきます。
R1
R1#show ip route ~省略~ Gateway of last resort is not set 10.0.0.0/24 is subnetted, 5 subnets C 10.0.12.0 is directly connected, FastEthernet0/0 O IA 10.34.34.0 [110/30] via 10.0.12.2, 00:07:02, FastEthernet0/0 O IA 10.23.23.0 [110/20] via 10.0.12.2, 00:19:33, FastEthernet0/0 C 10.0.1.0 is directly connected, Loopback0 O IA 10.34.4.0 [110/31] via 10.0.12.2, 00:07:02, FastEthernet0/0 R1#ping 10.34.4.4 source 10.0.1.1 Type escape sequence to abort. Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 10.34.4.4, timeout is 2 seconds: Packet sent with a source address of 10.0.1.1 !!!!! Success rate is 100 percent (5/5), round-trip min/avg/max = 64/84/96 ms
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