日経ネットワーク2006.2『公衆無線LANの仕組みと使い方』 by BOSE

(所属カテゴリー:日経NETWORK---投稿日時:2006年2月20日)

にわかに注目を浴びている公衆無線LANサービス。

特に公園や路上など屋外でも利用できるという新しいコンセプトで参入した 「Livedoor Wireless」には期待していました。 実体が無いといわれるLivedoorですが、公衆無線LANの分野では新しいインフ ラを構築して社会的に貢献できるんじゃないか、と思っていたんですけど。

これまでの公衆無線LANサービスはあくまで喫茶店や駅の構内など屋内での利 用を前提としたものでした。屋内でもどこでもインターネットにつながるとい うことになれば、そのインフラを活用した新しいサービスもどんどん創出され ていくはず。
Livedoor Wirelessの展開にホリエモン事件の影響が無いといいのですが・・

最近キーワードを目にすることが多くなった公衆無線LANサービスですが、そ の技術解説た記事というのは今回初めて見ました。
一言で公衆無線LANと言っても、まずネットワークのトポロジの仕組みとして、 大きく2つのパタンがあるようです。

 1.アクセスポイント(AP)から直接インターネットに抜ける構成
  喫茶店や駅毎にADSLなどのブロードバンドを引き込むことになります。
  日本テレコムのBBモバイルポイントなどが採用している構成です。


 PC-----AP--------ADSLなど-------Internet
 PC-----AP--------ADSLなど-------Internet
 <-------->
公衆無線LANエリア

 2.APから事業者のセンターを経由してインターネットに抜ける構成
広域イーサなどのVPNを使って事業者のセンターにトラフィックを集約しそこから一元的にインターネットに抜けていきます。
NTTコミュニケーションズのHOTSPOTやLivedoor Wirelessなどが採用しています。

 PC-----AP-----広域イーサなど-----事業者のセンタ------Internet
         |
 PC-----AP--------+
 <-------->
公衆無線LANエリア

この違いは面白いですね。
投資額やセキュリティの仕組み作りにも大きく影響しそうです。

まず第一印象で、2.の方が構築コストがかかりそうだな、と思いました。

1.の構成だとAP毎に安価なブロードバンドを利用すればいいのに対し、2.の構 成は各APと事業者のセンターを接続するために広範囲に渡ってVPNサービスを 利用する必要があります。ここに高額なコストがかかりそうです。
また、事業者のセンターでは高速インターネット接続が必要となるため、その コストもかかりそうです。

単純に考えたら1.のほうが安くていいんじゃないの?

ところが読み進めてみると、そんな単純な話ではないようです。

1.の場合、AP毎にインターネットに接続されているため、AP毎に高度な認証や セキュリティの機能が必要になります。
一方2.の場合、認証やセキュリティの機能は事業者のセンターに集約できるた め、AP自体に複雑な機能は必要ありません。

APは数千単位の数があるため、この違いは投資額に大きく跳ね返ってきそうで す。それに、新しいセキュリティ技術を採用する場合など、インターネットへ の出口を集約している2.の方が柔軟性がありそうです。

もうひとつ僕が気になった違いは、PCに割り当てるIPアドレスがグローバル IPかプライベートIPか、というところでした。

HOTSPOTやLivedoor WirelessではPCにグローバルIPを割り当てるのに対し、 BBモバイルポイントはプライベートIPを割り当てます。

普段BBルータの内側でプライベートIPを使っているPCは、BBルータのNAT機能 が実質ファイアウォールの役割を果たして守られています。このようにして守 られていたPCを公衆無線LANに接続し、グローバルIPが割り当てられるという ことによって、セキュリティ上のリスクが増大するということは理解しておか なくてはなりません。

無防備なPCは20分ほどでウィルスに感染するという報告もあります。 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20051129/225338/

今後個人向けサービス、企業ネットワークの両方での利用とブレイクが予想さ れる公衆無線LANサービスですが、技術解説を見たのは初めてだったのでとて も参考になりました。
その仕組みを理解することが、安全に利用するためのポイントを知ることにも つながりますね。

By BOSE
自己投資のための読書 → http://blog.livedoor.jp/burtman/

※BOSEさん、ありがとうございます。「Livedoor Wireless」はどうなるんで しょうね。最初のうちはぜんぜんつながらないだろうと思ってはいましたが、 将来的には期待していました。今回の事件で銀行融資がストップしてしまっ たらインフラ整備は厳しそうです。たぶん月額500円だったら、損益分岐点 を超えるためにはかなり多くのユーザを集めなければいけなさそうですし。 個人的にはモバイルブロードバンドとして、WiMAXに期待しています。(Gene)

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