日経コミュニケーション 2006.3.1 『オープンソースPBX、Asteriskの衝撃 P52~59』 by Gene

(所属カテゴリー:日経コミュニケーション---投稿日時:2006年3月14日)

「Asterisk」という言葉を目にすることが最近多くなってきました。「Asterisk」 とはオープンソースのIP-PBXソフトウェアです。PBXのソフトがオープンソー スで作られるなんて、最初聞いたとき、すごく驚きました。今回レビューのネ タに取り上げたのは、オープンソースIP-PBXの「Asterisk」が企業ネットワー クに与えるインパクトをまとめている記事です。

まず、「Asterisk」の特徴を4点挙げます。

特徴1:オープンソースである
特徴2:フル機能のPBXである
特徴3:さまざまなプロトコル、コーデックに対応する
特徴4:アナログ電話網と接続できる

まず、オープンソースであるといことは、自分で機能追加や修正が可能です。 また自分だけでなく、世界中の技術者が自発的に機能を強化した恩恵を受ける こともできます。
オープンソースで無償だからといって、既存のPBXに機能的に見劣りはしませ ん。転送や保留などの内線電話機能のみならず、ボイスメール、音声自動応答、 電話会議など商用PBXと同等の機能を備えています。
また、SIPだけでなくH.323やSCCPなどのさまざまなプロトコルに対応でき、柔 軟に新しい規格にも対応できるようになっています。
さらに、アナログ電話網と接続するボードを利用すれば、アナログ電話でもAsterisk のアプリケーションの利用が可能です。

以上のような特徴をそなえたオープンソースPBX「Asterisk」。企業でもどん どん導入されている様子が伝えられています。日本でも、Asteriskを組み込ん だ超小型IP-PBXが開発されています。なんと価格は5万円台。IP電話を導入し たいけど、導入コストが・・・なんて躊躇していた中小企業でもこぞってIP電 話の導入に踏み切れるぐらいの価格破壊力です。
また、Asteriskを使ったASP(Application Service Provider)を展開している 企業もでてくるなど、どんどん広がりを見せているのが現状のようです。
「Asterisk」はAPIも公開しているので、ほかのアプリケーションやシステム との連携を非常に簡単に行うことができるのも特徴です。たとえば、グループ ウェアに電話の発信機能をつけることも簡単にできるようです。
こういう形で、Asteriskの広がりがみえ始めてくると、あとは、その流れは加 速していくばかりのような気がします。たくさんのユーザが導入し、それに伴 って、Asterisk自体も進化し、より多くのユーザが導入する・・・という好循 環のスパイラルが発生しそうです。「Asterisk」はWeb2.0的なIP-PBXソフトウ ェアといえますね。

ただし、日本のPBXの独自仕様のため、完全に既存のPBXの機能を再現すること までは難しいという問題点があります。また、IP電話機の仕様も公開されてい ない部分があるのも難しい点ですね。この辺は、いまのIP-PBX、IP電話機ベン ダの今後の意識次第です。それは、記事の最後の「Asterisk」開発者のマーク・ スペンサー氏の言葉に表れています。

「AsteriskはPBXメーカーにとっては敵であるが、同時に見方でもある。Asterisk をその会社の製品と組み合わせて、補完的にも使えるからだ」


と。

PBXメーカーにとっては、Asteriskに徐々にシェアを奪われてしまうよりも、 逆にAsteriskを利用して、より充実した製品、サービスの提供を考えていく分 岐点にあると思います。

この記事は、「Asterisk」について、その特徴と現状についてとてもよくまと まっています。現在、あるいは近い将来にIP電話の導入を考えている企業の方 はひとつの選択肢として「Asterisk」を知るために、ぜひ参考にしていただく といいでしょう。

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