2005年1月号～12月号の日経NETWORKの記事に頻出するネットワーク用語をラン キングにして、重要な用語を解説している特集です。いやはや、なんとも新入 社員が入ってくる「4月らしい」記事ですね。
ネットワーク用語の頻出ランキングは
- 規格(プロトコル)
- ソフトウェア/サービス
- ハードウェア
- ネットワーク一般用語
- セキュリティ
- その他
と色でカテゴリわけされ、100個の用語がP24～P25に掲載されています。ずら っと眺めてみるとやはり、
・TCP/IP
・LAN
に関連する用語が多いなぁと感じました。あと、前年101位以下だった用語に は「new」という印がつけられています。「new」の印を見ると、
- RSS
- IPv6
- Skype
- QoS
- NAS
- SoftEther
など去年、注目を浴びた新しいサービスや技術などがよくわかって面白いです ね。
ランキングの後の用語の解説で、特にぼくがいいなと思ったのが「セグメント」
の解説です。この言葉はすごくやっかいです。ネットワーク技術の勉強を始め
たときにいろんな本や雑誌の記事を見ると、よく「セグメント」とか「ネット
ワークセグメント」という形で出てくるのですが、その時々でさしている範囲
が違う・・・なんて経験ありませんか？
ぼくは、この「セグメント」という言葉に最初、すごく混乱した覚えがありま
す。その混乱をきちんと解消してくれるのが、今回の日経NETWORの用語解説で
す。
「セグメント」とは、大きく分けて
- TCPの1つのデータの単位
- 特定のネットワーク領域
という意味があります。やっかいなのが、2つ目の意味で使う「セグメント」 です。
「特定の」というのが、前後の文脈で、変わってくるんですね。あるときは単
純にネットワーク機器同士を結んでいるケーブルの部分(リンク)を指している
かと思えば、あるときはルータで区切られるブロードキャストドメインを指し
ているときもあります。文脈によって意図している領域が変わってくる用語な
んだということが、この解説にははっきりと書いています。また、同じくネッ
トワークの領域を示す「(IP)サブネット」や「LAN」といった用語との関連も
図にまとめてあってわかりやすいです。
いままで、「セグメント」という用語について違和感を持ったり、混乱したこ
とがある方はぜひこの日経NETWORKの用語解説をよく読んでみていただくとい
いでしょう。
ただ、ちょっと納得がいかない解説もありました。ブロードキャストの解説に 関連して「マルチキャスト」について書いてあるところです。
「マルチキャストはブロードキャストとユニキャストの間をとった通信方法」
とあります。これは納得いかない説明です。
何度かメルマガでも書いたことがありますが、ブロードキャストはマルチキャ
ストの一部です。「同じサブネット上の全ホストというグループへの通信」が
ブロードキャストです。IPv4のアドレッシングから考えると、IPv4のブロード
キャストはイレギュラーなんですけど、MACレベルやIPv6でのマルチキャスト
を考えるとブロードキャストはマルチキャストの特殊な形だということがわか
るはずです。ちょっと細かい話ですけど、気になりました。
今回取り上げた日経NETWORKの記事は読む人によって使い方がわかれると思い ます。
4月から新入社員として働き始めたり、転職などでネットワーク技術の勉強を はじめる方にとっては、今回あげられている頻出用語100個の用語をネットワ ーク技術の理解についてのひとつの基準として使えるでしょう。あくまでも日 経NETWORKというひとつの雑誌の記事から選んだものですが、挙げられている 100個の用語を聞いてその意味とどこでどんな風に使われる用語なのかがわか るようになれば、ネットワーク技術の理解はかなり深まっているはずです。そ のときは自信を持って「ネットワーク技術には詳しいです」と言えるようにな っているでしょう。
そして、もう何年もネットワーク技術の勉強をしている方にとっては、復習に 使えるでしょう。知らない用語や勘違いしている用語があれば、それを勉強す るきっかけになるでしょう。
というわけで、まったくの初心者の方も中級者の方も必見の記事です。
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