Webブラウザは、電子メールと並んでインターネットを利用するユーザにとっ
て必須のアプリケーションですね。インターネットを利用していて、Webブラ
ウザを使わないっていうことがあり得ないぐらい。
もともと、Webブラウザの機能は、インターネット上のWebサーバに存在するWeb
ページを表示するというものでした。Webページもテキストといくつかの画像
という非常にシンプルなもの。
それが、いまではいろんなシステムがWebベースのものになり、Webブラウザは
単なる「Webページを表示する」アプリケーションから、「アプリケーション
の基盤」へと発展しつつあります。Webブラウザの今後について、まとめてい
るのが今回レビューで取り上げる日経コミュニケーションの記事です。
Webブラウザが単なるWebサイトの表示アプリケーションから、さまざまなアプ リケーションの基盤へと発展している背景には、「Ajax(Asynchronous JavaScript + XML) があります。Ajaxについては、以前、WebサイトのITキーワードにアップして います。
「ネットワークのおべんきょしませんか? ITキーワード」
http://www.n-study.com/network/keyword/
【『Ajax(エイジャックス)』、一言で言うと】
JavaScriptやXMLを組み合わせて、動的なWebサイトを開発する開発手法
http://www.n-study.com/network/2006/01/ajax.html
JavaScriptやXMLを組み合わせて、WebサーバとWebブラウザで非同期に通信を 行って、ページの読み込みなしで動的にWebページを変化させることができま す。Webを検索すると、Ajaxについて非常に参考になるページを見つけました ので、合わせてご紹介しますね。
「Ajax : 勉強用サンプル&解説」
http://www.openspc2.org/JavaScript/Ajax/
Ajaxの勉強をしてみたい人にはぴったりのサイトです。
さらにAjaxだけでなく、Webサービスを組み合わせることで、Webブラウザはよ り高度な表現力と機能を備えて、アプリケーションの基盤として発展してきて います。Webサービスとは、複数のWebシステムがインターネットを介して連携 し、1つのサービスとして振る舞うことを可能にする技術ですね。
このようなAjax+Webサービスを組み合わせたWebブラウザの機能を記事で図を 使って解説しています。この図を見れば、概要がよくわかりますね。
また、Webブラウザそのものとしての進化だけでなく、他のアプリケーション にも入り込む動きも出ています。最近のブラウザは、ユーザインタフェースと 描画を実行する部分(エンジン)を分離して、エンジンを他のアプリケーション から実行できるようにしています。Firefoxの「Gecko」というエンジンは有名 ですね。Firefoxだけでなく、Mozillaも「Gecko」のエンジンを利用していま す。IEやOperaは明示的にエンジンを切り出していないようですが、他のアプ リケーションから利用できるのは同じです。
携帯ブラウザもパソコンのブラウザと同じ流れをたどるようです。携帯電話の
メニューや待ち受け画面ををブラウザ化、Ajaxを活用して電波状況や電池残量
などの表示が可能です。メニューや待ち受けにブラウザを利用するメリットは、
開発や変更、カスタマイズが簡単になることだとか。画面の見た目や機能を、
スクリプトを変更するだけで全く違うものに変えられます。
それによって、一番大きなメリットを享受できそうなのがMVNO(Mobile Virtual Network Operator)
だろうということです。MVNOとは、携帯電話網などの無線インフラを他社から
借り受けてサービスを提供する事業者です。Ajaxでユーザインタフェースを開
発することで、MVNOのユーザごとにターゲットを絞った端末の開発が容易にな
るからです。
そして、携帯電話のブラウザも他のアプリケーションからエンジンを利用する
ことが可能です。ワンセグ放送を閲覧するアプリケーションなどもブラウザの
エンジンを使ったものがあるようです。
この記事を読むと、Webブラウザは今後、直接目に触れる/触れないがあるにせ よ、インターネットユーザにとってますます必要不可欠なアプリケーションに なるだろうということがわかります。
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