TCP/IPのさまざまなプロトコルの仕組みをLANアナライザを使って、パケット キャプチャをしながら解説し、トラブルシューティングのテクニックを身につ けましょうという連載です。 今回は、DHCPについてです。
多くの企業のLANや家庭で利用しているPCは、IPアドレスの設定をDHCPによる 自動取得にしていると思います。それだけたくさん利用されていると、トラブ ルもよく目にするようになるでしょう。
「突然、インターネットにつながらなくなった!」
と思ったら、DHCPサーバからうまくIPアドレスを取得できていなかったってこ とがよくあります。そんなとき、トラブルを解決するためには、DHCPの仕組み をきちんと理解しているかどうかが試されます。DHCPの仕組みを知り、DHCPに 関連するトラブルを解決する方法を勉強する上で、とても参考になるのが今回 のNETWORK WORLDの記事です。
DHCPでは、次の4つのステップでDHCPサーバからIPアドレスを貸し出ししても らいます。
- DHCP Discover
- DHCP Offer
- DHCP Request
- DHCP Ack
この4つのステップの様子を実際にLANアナライザでキャプチャしたものを使っ て解説しています。基本的なDHCPの仕組みはぜひ知っておきたいところです。 「ネットワークのおべんきょしませんか?」Webサイトでも、DHCPの仕組みを 解説していますので、ぜひ参考にしてください。
「DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol) その1」
http://www.n-study.com/network/2001/11/dhcpdynamic_hos.html
「DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol) その2」
http://www.n-study.com/network/2001/11/dhcpdynamic_hos_1.html
「DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol) その3」
http://www.n-study.com/network/2001/11/dhcpdynamic_hos_2.html
そして、うまくDHCPサーバと通信ができなかった場合、Windows XPでは「自動
プライベートIPアドレス(APIPA)」の機能によって、「169.254.x.x (xは任意)」
のIPアドレスが使われるようになります。
みなさんも急にインターネットがつながらなくなったり、ファイル共有ができ
なくなったりしたときに、一度ぐらいはこの範囲のアドレスを見たことがある
んじゃないかなと思います。
DHCPでうまくIPアドレスを取得できないときに、「169.254.x.x」のアドレス が自動的に設定されるということを知っていれば、あわてずさわがず、DHCPサ ーバを確認して、DHCPサーバまでのネットワーク障害があるかどうか、サーバ で正常にDHCPサービスが動作しているかを確認して、トラブルを解決すること ができますね。
また、今回の記事にはDHCP以外にも、パケットのループが発生している状況で のIPヘッダのTTLの様子と大きなサイズのパケットを転送する場合のフラグメ ントの様子についても、LANアナライザでキャプチャして、その仕組みを解説 しています。
この辺も、けっこうよく見かけるトラブルです。記事で使っているLANアナラ イザは、商用で非常に高価なソフトウェアですが、フリーの「Ethereal」でも 十分に確認できるので、興味がある方は、この記事に出ているような構成で、 実際にキャプチャしてみると、とても理解が深まるでしょう。
「Ethereal」
http://www.ethereal.com/
この連載は、欠かさず読むようにしていますが、とても参考になることが多い いい連載だと思います。まだ読んだことがない方は、ぜひ一度、読んでみてく ださい。