コーチ(coach)とはそもそもイギリスで古くは「馬車」、現在では「大型の長 距離バス」を意味する言葉で、1500年代に登場しました。
「乗客を希望通りの目的地に運ぶ」ということから転じて、1840年代にイギリ スのオックスフォード大学で受験指導をする個人教師のことを「コーチ」と呼 ぶようになります。
その後、1880年代にボート競技の指導者が「コーチ」と呼ばれるようになり、 スポーツ界での指導者を一般的にコーチと呼ぶようになります。
1950年代に入り、当時、ハーバード大学助教授だったマイルズ・メイスは、自身の著書、"The Growth and Development of Executives" (1959)において、
「マネジメントの中心は人間であり、人間中心のマネジメントの中でコーチングは重要なスキルである」
と記し、マネジメントの分野においてもコーチングと言う言葉が使われるようになります。
1980年代になると、トム・ピーターズによる "A Passion for Excellence" (1985)、デニス・キンローによる
" Coaching for Committment"(1989)など、コーチングに関する出版物が刊行されるようになります。
また、1987年には、ジョージ・アレン:プロフットボール監督、レッド・アワーバック:プロバスケットボール監督、
ジョン・ウッデン:大学バスケットボール監督といったアメリカを代表するスポーツコーチたちやコーチング研究者
たちを中心にマネジメント・セミナーが開催され、コーチングについて語りました。
1990年代には、アメリカでコーチの養成機関の設立が相次ぎます。1992年に Coach University が 設立されたのをきっかけに、 いくつも同様の機関が誕生しました。1996年11月には、コーチという職業の倫理を明確にし、その質の維持を目的に、 非営利団体国際コーチ連盟(International Coach Federation、通称ICF)が設立され、現在その活動は世界に広がっています。