Webブラウザは、マイクロソフトのInternet Explorer(IE)が圧倒的なシェアを握っています。ですが、昨年あたりからIEの圧倒的なシェアを徐々に切り崩しているブラウザが現れてきました。モジラのFirefoxです。Firefoxは、かつてIEと熾烈なブラウザのシェア争いをしていたNetscape Navigatorをベースに開発されたオープンソースソフトウェアです。昨年11月の発表以来、2500万回のダウンロードを記録したそうです。
「Mozilla Foundation、Firefox ブラウザの 2500 万ダウンロード達成を発表」
Firefoxほどの注目は浴びていませんが、ブラウザの第三の勢力としてOperaも地道にバージョンアップを繰り返しつつ、機能、セキュリティを強化してきています。
IE、Firefox、Opera・・・いまのブラウザ市場を代表する3つのブラウザは、どこがどう違うんだろう？？？ということを徹底的に比較したのが、今回取り上げている日経NETWORKの記事です。
P63ページに3つのブラウザがサポートしている機能などを一覧でまとめている表が載せられています。これを見れば、それぞれのブラウザがどんな機能を持っているのかということがすぐにわかるように、よくまとまっている表です。
まず、最初にIEとIE以外で一番目立った機能的な特徴である、タブブラジングについての比較があります。IEのコンポーネントを使ったタブブラウザもあるものの、デフォルトではIEはタブブラウジングはサポートしていません。
タブブラウジング機能って何？っていう人のために、簡単に説明しますね。タブブラウジング機能とは、1つのウィンドウで複数のWebページを見られるようにするための機能です。
↑の四角で囲んだところがタブで、タブをクリックすると表示するWebページを切り替えられるようになっています。
IEだと、次から次へとウィンドウが開いていって、使いにくいんですが、タブブラウジング機能があれば、た くさんのWebページの表示をすぐに切り替えられるので便利なわけですね。
ぼくもいま、Firefoxを使っているのですが、タブブラウジング機能があると、すごく便利です。IEがタブブラウジング機能をサポートしていないのは、大きなディスアドバンテージだと思います。
それ以外には、RSSリーダーの機能やセキュリティの設定、Active Xコントロールの動作などについて触れられています。総じて、IEに比べると、FirefoxやOperaの方が機能や使い勝手に優れている傾向があることがわかります。
じゃ、IEを使うのをやめてFirefoxかOperaに乗り換えようかと思うのですが、それにはちょっとした壁があります。そのことについても記事ではわかりやすく触れていると思います。ブックマークやCookieといった情報の移行自体はそれほど問題にはなりません。特にFirefoxはIEからかなり情報をひっぱってくることができます。(ただ、ぼくが実際にIEからFirefoxに情報を移行させたときは、記憶しているパスワードはうまく引き継げませんでした)
問題は、
「IEでしか見られないサイトがけっこうある」
ってことですね。IEのシェアはいまは90%切りそうですけど、去年のはじめぐらだと95%以上あったと思います。すると、多くのWebサイトがIEで表示することに最適化したデザインやHTMLタグの記述をしています。デザインやHTMLタグだけなら、見た目を我慢すればいいのですが、VBスクリプトを使っているWebサイトはFirefoxやOperaでは解釈できませんし、Javaスクリプトの構文もIEに特化した記述をしているサイトがけっこうたくさんあります。
だから、すぐにIEとサヨナラして、新しい恋人じゃなくて、ブラウザに移行しようと思っても難しいですね。じゃ、どうすればいいか？
実際にぼくもやっていることですが、記事にも書かれているように、
普段はFirefoxかOperaを使い、IEでしかアクセスできないWebサイトにはIEで アクセスするといった使い分けをすればいい。
っていうのが、賢い使い方かなぁって思います。ぼくの仕事用のパソコンでは、デフォルトのブラウザをFirefoxにしています。デザインが崩れたり、IEでしかアクセスできないサイトはIEを使っているっていう具合に使い分けを行っています。
このままじゃ、どんどん他のブラウザにシェアを奪われてしまうという危機感をいだいたマイクロソフトは、いままでの時期OSまでIEはバージョンアップしないというポリシーをようやく変更しました。
「Microsoft、IE 7.0ベータ版をWindows XP SP2向けに今夏公開」
いままでのIEの圧倒的なシェアが異常だったと思います。IEに対抗できる可能性を持ったFirefox、Operaが出てきて、IEもさらなる機能追加がされるという競争原理が働いて、いいブラウザが開発されると、利用するユーザも大きなメリットを享受できますね。
さてさて、話がそれましたが、今回紹介した日経NETWORKの記事は、いま、IEだけしか使っていない方で、FirefoxやOperaってどんなのだろうって興味がある方には、とても参考になる記事です。
