目次
GLBPの設定
GLBPの基本的な設定の手順は次のとおりです。
- GLBPグループ番号と仮想IPアドレスの設定
- GLBPプライオリティの設定
- 負荷分散の設定
GLBPの設定コマンド自体は、HSRPやVRRPととても良く似ています。以降で、それぞれの手順のコマンドを解説します。
GLBPグループ番号と仮想IPアドレスの設定
GLBPを設定するのは、HSRPやVRRPと同じくデフォルトゲートウェイとして動作するインタフェースコンフィグレーションモードです。以下のコマンドでGLBPグループと仮想ルータのIPアドレスを設定します。
(config-if)#glbp <group-num> ip <ip-address>
<group-num> : GLBPグループ番号。0~1023
<ip-address> : 仮想ルータのIPアドレス
GLBPプライオリティの設定
GLBPグループ全体を管理するAVGとしてプライオリティが大きいルータが選ばれます。GLBPプライオリティの設定は次のコマンドを利用します。
(config-if)#glbp <group-num> priority <priority>
<group-num> : GLBPグループ番号。0~1023
<priority> : プライオリティ値。1~255
負荷分散の設定
GLBPの負荷分散方式を決めるには、次のコマンドを利用します。
(config-if)#glbp <group-num> load-balancing [host-dependent|roung-robin|weighted]
<group-num> : GLBPグループ番号。0~1023
負荷分散方式としてweightedを設定した場合、AVFのWeight値は以下のコマンドで設定します。
(config-if)#glbp <group-num> weighting <weight>
<group-num> : GLBPグループ番号。0~1023
<weight> : weight値。1~254。デフォルト100
GLBPの確認
GLBPの動作を確認するためには主に次のコマンドを利用します。
コマンド | 内容 |
---|---|
#show glbp brief | 仮想IPアドレス、AVG、AVFの要約情報を確認します。 |
#show glbp | show glbp briefで確認できる情報に加えて、負荷分散アルゴリズムや負荷分散のパラメータなど詳細情報を確認します。 |
GLBPの設定例
シンプルなネットワーク構成でのGLBPの設定は次のとおりです。なお、負荷分散方式はデフォルトのround-robinとしています。
設定
R1
interface FastEthernet0/0 glbp 1 ip 192.168.1.5 glbp 1 priority 110
R2
interface FastEthernet0/0 glbp 1 ip 192.168.1.5
PCに対してデフォルトゲートウェイとして動作するインタフェースは、R1、R2ともにFa0/0です。GLBPもFa0/0で有効化します。R1、R2ともに共通のGLBPグループ番号と仮想IPアドレスを設定します。また、AVGとなるR1のプライオリティをデフォルトの100よりも大きい110に設定します。
確認
show glbp brief
この設定例におけるR1でのshow glbp briefコマンドの出力は以下のように表示されます。
R1
R1#show glbp brief Interface Grp Fwd Pri State Address Active router Standby router Fa0/0 1 - 110 Active 192.168.1.5 local 192.168.1.2 Fa0/0 1 1 - Active 0007.b400.0101 local - Fa0/0 1 2 - Listen 0007.b400.0102 192.168.1.2 -
show glbp briefコマンドより、R1はAVGとなっていることがわかります。また、R1はAVF1として00-07-b4-00-01-01の仮想MACアドレスが割り当てられています。AVF2はR2(192.168.1.2)で00-07-b4-00-01-02の仮想MACアドレスが割り当てられています。
show glbp
そして、R1のshow glbpコマンドの出力は以下のようになります。
R1
R1#show glbp FastEthernet0/0 - Group 1 State is Active 2 state changes, last state change 00:23:17 Virtual IP address is 192.168.1.5 Hello time 3 sec, hold time 10 sec Next hello sent in 0.208 secs Redirect time 600 sec, forwarder time-out 14400 sec Preemption disabled Active is local Standby is 192.168.1.2, priority 100 (expires in 9.136 sec) Priority 110 (configured) Weighting 100 (default 100), thresholds: lower 1, upper 100 Load balancing: round-robin Group members: cc00.39b4.0000 (192.168.1.1) local cc01.39b4.0000 (192.168.1.2) There are 2 forwarders (1 active) Forwarder 1 State is Active 1 state change, last state change 00:23:07 MAC address is 0007.b400.0101 (default) Owner ID is cc00.39b4.0000 Redirection enabled Preemption enabled, min delay 30 sec Active is local, weighting 100 Forwarder 2 State is Listen MAC address is 0007.b400.0102 (learnt) Owner ID is cc01.39b4.0000 Redirection enabled, 597.592 sec remaining (maximum 600 sec) Time to live: 14397.588 sec (maximum 14400 sec) Preemption enabled, min delay 30 sec Active is 192.168.1.2 (primary), weighting 100 (expires in 7.588 sec)
show glbpコマンドから負荷分散アルゴリズムとしてround-robinを利用していることがわかります。また、後半部分でAVFの詳細な情報を確認することができます。
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