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(所属カテゴリー:LAN---投稿日時:2000年11月25日)
イーサネット上で流れるデータをフレームと呼んでいます。これは、データリンク層のPDU(Protocol Data Unit)の名前でしたね?このフレームですが、次のように4種類あります。
4種類のフレームフォーマットなんですが、歴史的な変遷があります。一番古いのは、イーサネットver2です。もともとイーサネットの規格は、DIX規格と呼ばれています。DEC、Intel、XEROXという規格に関わった企業の頭文字をとっています。このDIX規格がのちにIEEE802.3として標準化されました。そのときに、802.3 Rowのフレームフォーマットが制定されています。
しかし、この802.3 Rowのフレームフォーマットは、上位層プロトコルを識別できないという欠点がありました。その欠点を解消するために、802.3 with LLCのフォーマットが制定されています。
この802.3 with LLC では、上位層のプロトコルを識別するためのLLCというフィールドが追加されています。最後の802.3 with SNAPは、802.3 with LLC では識別できないプロトコルを識別するために制定されています。
イーサネットver2のフレームフォーマットは次のようになります。
イーサネットヘッダとデータ部、CRCをあわせるとフレームのサイズの範囲がわかります。64~1518バイトの間になりますね。64バイトよりも小さいフレーム、1518バイトよりも大きいフレームはエラーとして扱われ、破棄されることになります。このフレームサイズは4種類のフレームフォーマットですべて共通です。
この802.3 Rawのフレームフォーマットは次の図のようになります。
イーサネットver2と比べると、「タイプ」フィールドが「長さ」フィールドに変わっています。この「長さ」は、あとに続くデータ部の長さを表すものです。 たいした違いじゃないように思いますが、実はこれは重大な欠点があります。それは、上位のネットワーク層のプロトコルを識別することができないということです。
Novel NetWareでは、ネットワーク層のプロトコルはIPXしかないので問題は起こりませんが、その他のネットワークアーキテクチャでは、ネットワーク層のプロトコルはひとつとは限りません。そういった場合、このフレームフォーマットは対応できないことになります。その問題を解決するために考えられたのが、次の802.3 with LLCです。
次の図が802.3 with LLC のフレームフォーマットです。
802.3 with LLC(以下、LLC)は、802.3 Raw のデータ部の先頭部分にフィールドを追加しています。
こういったフィールドを追加することによって、LLCフォーマットでは802.3 Rawの問題を解決しています。
しかし、DSAP、SSAPは最上位ビットが予約されていて実際には7ビット、つまり2~7=128種類のプロトコルしか識別できません。各ベンダ固有のプロトコルをつくりたいというときなどは、これだけでは足りなくなってきてしまいます。それをなんとかしようと、802.3 with SNAP(以下、SNAP)フォーマットが考えられました。
SNAPフレームフォーマットは次のようになっています。
あと、4種類ともフレームの大きさは64~1518バイトというのは変わりません。