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(所属カテゴリー:IPルーティング | シスコ---投稿日時:2006年3月27日)
前回の
「CiscoルータでのBGPの集約 【For CCIE】
http://www.n-study.com/network/2006/03/ciscobgp_for_cc.html
で解説したように、CiscoルータでBGPルートを集約するaggregate-addressに
はたくさんのオプションがあります。オプションは、簡単に言えば
・集約前のルートをどう扱うか
・集約ルートのアトリビュートをどうするか
によって必要なものを選択します。
今回は、summary-onlyオプションについてみてみます。summary-onlyオプショ
ンは、「集約前のルートをどう扱うか」に関するオプションです。
次のサンプルトポロジでR1でaggregate-addressとsummary-onlyのオプション を考えます。
aggregate-addressを設定する前のR1のBGPに関連する設定は次のとおりです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ R1 interface Loopback0 ip address 123.1.2.1 255.255.255.0 secondary ip address 123.1.3.1 255.255.255.0 secondary ip address 123.1.4.1 255.255.255.0 secondary ip address 123.1.5.1 255.255.255.0 secondary ip address 123.1.6.1 255.255.255.0 secondary ip address 123.1.7.1 255.255.255.0 secondary ip address 123.1.1.1 255.255.255.0 router bgp 123 neighbor 14.0.0.4 remote-as 4 neighbor 192.168.123.3 remote-as 123 network 123.1.1.0 mask 255.255.255.0 network 123.1.2.0 mask 255.255.255.0 network 123.1.3.0 mask 255.255.255.0 network 123.1.4.0 mask 255.255.255.0 network 123.1.5.0 mask 255.255.255.0 network 123.1.6.0 mask 255.255.255.0 network 123.1.7.0 mask 255.255.255.0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
R1ではBGPピアの設定とnetworkコマンドによるルートのアドバタイズの設定を しています。ルートをアドバタイズするためにLoopback0インタフェースに、 セカンダリアドレスをたくさん設定しています。Loopbackインタフェースをい くつも作るより、この例のように1つのLoopbackインタフェースにセカンダリ アドレスを設定するほうがシンプルになるのでオススメです。
まず、通常の集約の設定、つまりオプションなしでaggregate-addressの設定
を行います。
AS123の123.1.x.xのルートを集約して123.1.0.0/16としてアドバタイズします。
アドバタイズするルータはR1です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ R1 router bgp 123 aggregate-address 123.1.0.0 255.255.0.0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このコマンドによって集約ルートが生成されR1のBGPテーブルに載り、ピアに アドバタイズされます。オプションをつけなければ、集約前のルートも一緒に アドバタイズされます。これを確認するためにBGPテーブルを見ます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ R1#sh ip bgp BGP table version is 72, local router ID is 192.168.123.1 Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete Network Next Hop Metric LocPrf Weight Path *> 123.1.0.0/16 0.0.0.0 32768 i *> 123.1.1.0/24 0.0.0.0 0 32768 i *> 123.1.2.0/24 0.0.0.0 0 32768 i *> 123.1.3.0/24 0.0.0.0 0 32768 i *> 123.1.4.0/24 0.0.0.0 0 32768 i *> 123.1.5.0/24 0.0.0.0 0 32768 i *> 123.1.6.0/24 0.0.0.0 0 32768 i *> 123.1.7.0/24 0.0.0.0 0 32768 i ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
BGPテーブルを確認すると、集約ルート123.1.0.0/16 が生成されベストパスと なりピアにアドバタイズされていることがわかります。それと同時に集約前の 123.1.1.0/24~123.1.7.0/24のルートもアドバタイズされています。
以上のように、普通にaggregate-addressコマンドで集約ルートを生成すると、 集約前のルートもすべてアドバタイズされるので、ルートの数が膨大になりま す。集約前ルートはアドバタイズせずに、集約ルートだけをアドバタイズした いときに利用するのがsummary-onlyオプションです。summary-onlyオプション をつけることによって、名前のとおり、集約ルート「だけ」をアドバタイズす ることができます。R1で次のように設定しています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ R1 router bgp 123 aggregate-address 123.1.0.0 255.255.0.0 summary-only ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この設定で、集約ルートだけのアドバタイズに変わります。それを確認するに は、R1のBGPテーブルを見ればわかります。R1のBGPテーブルは次のようになっ ています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ R1#sh ip bgp BGP table version is 83, local router ID is 192.168.123.1 Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete Network Next Hop Metric LocPrf Weight Path *> 123.1.0.0/16 0.0.0.0 32768 i s> 123.1.1.0/24 0.0.0.0 0 32768 i s> 123.1.2.0/24 0.0.0.0 0 32768 i s> 123.1.3.0/24 0.0.0.0 0 32768 i s> 123.1.4.0/24 0.0.0.0 0 32768 i s> 123.1.5.0/24 0.0.0.0 0 32768 i s> 123.1.6.0/24 0.0.0.0 0 32768 i s> 123.1.7.0/24 0.0.0.0 0 32768 i ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
集約前のルート123.1.1.0/24~123.1.7.0/24のエントリの前に「s」が付きま した。「s」はStatus codesのところにも出ているように「suppressed」を表 します。日本語では「抑制」です。つまり、集約前のルートがアドバタイズさ れなくなっています。
・集約前ルートをどうするかについてのオプション
・集約前ルートをアドバタイズせず、集約ルートのみをアドバタイズする
・summary-onlyでアドバタイズするルートの数を減らすことができる