Telnetのトラブル その2 解答と解説 【CCNP/CCIEレベル】

解答

  • R1にTelnetできない理由は何ですか。

VTYラインにすべての送信元IPアドレスをdenyするアクセスリストが適用されているから。また、VTYラインで認証が有効化されているが、パスワードを設定していないから。

  • R1にTelnetできるようにするためには、どのように設定を修正すればよいですか。

R1

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line vty 0 4
no access-class 1 in
password cisco
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ワンポイント

  • VTYラインにアクセスリストを適用して、VTYラインに接続するホストのIPアドレスを制限できる
  • VTYラインでloginコマンドによってVTYラインの認証を有効化する

解説

VTYラインについての基本的な設定に関する設定ミスです。今回のトラブルでは、以下の2点について設定ミスがあります。

  • VTYラインのアクセス制御
  • VTYライアンの認証

【VTYラインのアクセス制御】

VTYラインにアクセスする送信元ホストのIPアドレスを制限することができます。そのためには、VTYラインでアクセスリストを適用します。R1でVTYラインのアクセス制御を確認すると次のようになります。

R1 VTYラインのアクセス制御

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R1#show running-config | section line vty
line vty 0 4
access-class 1 in
login
transport input all
R1#show access-lists
Standard IP access list 1
10 deny   any
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VTYラインにアクセスリスト1が適用されていますが、アクセスリスト1はすべての送信元IPアドレスをdenyしています。つまり、R1はどのようなIPアドレスのホストからでも、VTYラインにアクセスできないようにしています。そのため、R2からR1にTelnetすると、以下のようにVTYアクセスが拒否されてしまうことになります。

R2 R1へTelnet

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R2#telnet 192.168.0.1
Trying 192.168.0.1 ...
% Connection refused by remote host
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これを解消するために、R1でVTYラインのアクセス制御を解除します。

R1 VTYラインのアクセス制御の解除

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line vty 0 4
no access-class 1 in
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【VTYラインの認証】

VTYラインのアクセス制御を解除したあと、R2からR1にTelnetすると、まだTelnet
できませんが、ログの出力に変化があります。

R2 R1へTelnet

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R2#telnet 192.168.0.1
Trying 192.168.0.1 ... Open
Password required, but none set
[Connection to 192.168.0.1 closed by foreign host]
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R2からR1へTelnetしてVTYへのアクセスはできているのですが、パスワードが設定されていないため、認証ができずにVTYアクセスが切断されていることがわかります。R1のVTYラインの設定をあらためて確認します。

R1 VTYラインの確認

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R1#show running-config | section line vty
line vty 0 4
login
transport input all
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R1では、VTYライン上でloginコマンドによって認証を有効化していることがわかります。loginコマンドはVTYライン上のパスワードを利用した認証です。そのため、認証に必要なパスワードをVTYライン上に設定します。

R1 VTYラインのパスワード設定

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line vty 0 4
password cisco
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R1でVTYラインのパスワードを設定したあと、再度、R2からR1へTelnetすると
正常にVTYラインにアクセスできることがわかります。

R2 R1へTelnet

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R2#telnet 192.168.0.1
Trying 192.168.0.1 ... Open
User Access Verification
Password:
R2>
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【設定ミスのまとめ】

以下の図は、設定ミスについてまとめたのもです。

telnet_trouble03.jpg
図 Telnetのトラブル その2 設定ミス