無線LAN Cisco無線LANソリューションの概要 その2
目次
無線LANソリューションの選択
分散管理型と集中管理型の2種類の無線LANソリューションはどちらが優れてい
ると言うわけではなく、無線LANネットワークの規模に応じて適切な方を選択
します。
大規模な無線LANネットワークでアクセスポイントがたくさん必要な場合は、
分散管理型のAutonomousアクセスポイントは向いていません。たくさんのアク
セスポイントごとに設定をして、稼働中の管理もアクセスポイントごとに行わ
なければいけないので管理上の負荷が非常に多くなるからです。
大規模な無線LANネットワークであれば、LightweightアクセスポイントとWLC
の集中管理型のソリューションの方が向いています。WLCで設定をすれば、WLC
の管理下にあるLightweightアクセスポイントにその設定情報が転送されてい
きます。また、アクセスポイントがカバーするセルの範囲もダイナミックに調
整したり、アクセスポイント間のローミングを高速に行ったりなど大規模無線
LANネットワークに必要な機能を提供することも可能です。
アクセスポイントの台数が少なく、小規模な無線LANネットワークであれば分
散管理型のソリューションが向いていると言えます。アクセスポイントの台数
が少なければ、アクセスポイントの設定や運用管理の負荷がたいしたものでは
ありません。Autonomousアクセスポイントは単体で動作しWLCを必要としませ
ん。そのため、集中管理型に比べるとWLCの分だけ機器コストも安くなります。
集中管理型では、WLCが必要になるのでその分のコストが追加で必要です。
2つの無線LANソリューションの特徴をまとめたものが次の表です。
無線LANソリューションの構成要素
上記の分散管理型、集中管理型無線LANソリューションの構成要素はアクセス
ポイントやコントローラ以外にもさまざまなものを組み合わせることがありま
す。無線LANソリューションそれぞれについての構成要素をまとめます。
分散管理型無線LANソリューションの構成要素
- Autonomousアクセスポイント
単体で動作して無線LANクライアントを収容するアクセスポイント
- RADIUSサーバ(Cisco Secure ACS)
IEEE802.1xのユーザ認証を利用する場合に必要な認証サーバ。Ciscoでは
Secure Access Control Server(ACS))というサーバソフトウェアを提供しています。
- Wireless LAN Solution Engine(WLSE)
Autonomousアクセスポイントを管理するための専用機器。アクセスポイント
の管理はSNMPベースで行います。簡易版のWLSE Expressもあります。
- 無線LANクライアント
Cisco Aironet WLANクライアントアダプタ、Cisco Wireless IP Phoneなど
集中管理型無線LANソリューションの構成要素
- Lightweightアクセスポイント
無線LANクライアントを収容するアクセスポイント。設定・管理はWLCで行います。
- Wireless LAN Controller(WLC)
Lightweightアクセスポイントを管理します。配下のアクセスポイントの設
定や電波状況の管理などすべてWLCで行います。Lightweightアクセスポイン
トの管理はLWAPP(Lightweight Access Point Protocol)という専用プロトコ
ルを利用します。
- RADIUSサーバ
IEEE802.1xのユーザ認証を利用する場合に必要な認証サーバ。Ciscoでは
Secure Access Control Server(ACS))というサーバソフトウェアを提供しています。
- Wireless Control System(WCS)
WLCを管理するためのサーバ。複数のWLCおよびその配下のLightweightアク
セスポイントを統合的に管理することが可能です。各アクセスポイントのセ
ル範囲や各種無線LANの統計情報をグラフィカルに表示することができます。
- Location Appliance
無線LANクライアントの位置情報をトラッキングできる専用機器。
- 無線LANクライアント
Cisco Aironet WLANクライアントアダプタ、Cisco Wireless IP Phoneなど