イーサネット規格

イーサネットの規格の種類
Iイーサネットには、使用する媒体(ケーブル)の種類、ネットワークの接続形態(トポロジ)によっていくつかの規格があります。その規格として代表的なものとして、
  • 10BASE5(テンベースファイブ)
  • 10BASE2(テンベースツー)
  • 10BASE-T(テンベースティー)
  • 100BASE-TX(ヒャクベースティーエックス)
などがあります。
(最近では、ギガビットイーサネットというめちゃめちゃ早いイーサネットの規格も出てきていますね。それについては、また機会があれば・・・)

このように、いくつかの規格があるのですが媒体アクセス制御方式(CSMA/CD)とフレームフォーマットは共通のものです。これは、各規格で互換性を維持するために共通のものを利用しています。


命名規則
各規格の名前はある規則に従っています。例として次の場合を考えてみましょう。

(例) 10BASE5

最初の数字は、伝送速度を示しています。この数字にMbpsとつけると、伝送速度になります。10だと10Mbpsの伝送速度という意味です。

次の部分ですが、これは伝送形式を示しています。ベースバンド(BASEBAND)方式、ブロードバンド(BROADBAND)方式などがありますが、現在一般的なのはベースバンド方式です。ベースバンド方式は簡単に言うと、パルス信号によるデジタル伝送を行っているということです。

最後の部分ですが、2通りに分かれます。
・数字
ケーブルとしては同軸ケーブルを使っています。この数字はケーブルの最大長を示しています。単位は100M単位です。
・アルファベット
利用するケーブルの種類を示しています。「T」であればUTPケーブル、「F」であれば光ファイバケーブルを利用しているということがわかります。
この例では、「5」とあるので同軸ケーブルを使い、ケーブルの最大長が500Mということがわかります。

ただ、命名規則が決まっているのですがあくまでも原則で、100BASE-T4や100BASE-TX、100BASE-FXなどのように最後の部分が1文字とは限らない名称もあります。これは、OSI参照モデルの物理層レベルでの細かい規格を示しているものです。


10BASE5
テンベースファイブと呼んでいます。正式には「IEEE802.3 10BASE5」です。かなり古い規格のひとつで、主な特徴は次の通りです。

媒体
直径約10mmの太い同軸ケーブルを使っています。このケーブルは黄色だったのでイエローケーブルなどとも呼ばれています。(いまは黄色とは限りませんが、むかしはだいたい黄色でした)最大のケーブル長は500mです。この太い同軸ケーブルはとても硬くて曲げにくく、ネットワークの物理的なレイアウトがかなり制限されます。また、工事も個人で行うのは困難です。
トポロジ
トポロジは、バス型です。バス型のトポロジはその両端にかならずターミネータという終端抵抗が必要です。これがないと電気信号がただしく伝わらずに、LANが正常に機能しません。
接続台数
最大の接続台数は100台までです。また、その接続する間隔が決まっています。2.5Mの間隔(もしくはその倍数)をあけて、各コンピュータを接続することになります。

10BASE5、10BASE2の共通の欠点として、トラブルシューティングが非常にやりにくいことがあげられます。
ケーブル上に1カ所でも障害が発生すると、LAN全体が停止してしまうこととその障害の切り分けが難しいからです。ケーブルが表面からみてもわかるほど切れていたりすると別ですが、内部的な断線だとどこが障害なのかということがわかりません。障害を切り分けるために専用の機器が必要になります。


10BASE2
正式名称は、「IEEE802.3 10BASE2」です。テンベースツー呼びます。特徴は、次のようになります。

媒体
直径約5mmの細い同軸ケーブルを使います。最後の部分が「2」なので、最大長が200Mと思いきや、実は185Mです。10BASE1.85とか面倒なので(笑)、10BASE2になったと思われます。細いケーブルの利点として、曲げやすくレイアウトしやすいといことがあります。
トポロジ
トポロジは、10BASE5と同じくバス型です。やはり両端にターミネータが必要になります。
接続台数
10BASE2では、最大の接続台数は30台までです。また接続する間隔は50cmか50cmの倍数の間隔をあける必要があります。


10BASE-T
読み方は、テンベースティーです。いま企業などでよく使われている規格がこの10BASE-Tです。正式な規格名は、「IEEE802.3 10BASE-T」です。主な特徴として次の点があげられます。

媒体
カテゴリ3以上のUTP(Unshieleded Twist Pair)ケーブルを利用します。UTPケーブルについてはこのあと触れます。ケーブルの取り回しがしやすいので、ネットワークのレイアウトを簡単に変更することができます。
トポロジ
トポロジはハブを中心としたスター型、もしくはハブを複数台接続したスターバス型の形態をとります。また、コンピュータとハブの間のケーブルの最大長は100Mとなります。ハブを複数台接続する場合は、通信するコンピュータ間で5台以上のハブを経由しないようにする必要があります。
接続台数
理論的な最大の接続台数は1024台です。もっとも、そんなにたくさんのコンピュータを同一LANに接続すると、衝突が多発してたぶん使いものにならないでしょう^^;

この10BASE-Tは、10BASE5、10BASE2に比べてお手軽にネットワークを構築することができます。コンピュータ(NIC)をUTPケーブルでハブに接続しさえすればOKです。また、上の方にも書いていますが、同軸ケーブルよりもUTPケーブルを使うことによってネットワークのレイアウトを柔軟に設計することができます。

さらに、10BASE5、10BASE2のバス型ネットワークの共通の弱点だった1ヶ所でも障害が起こると全体がダウンする、障害の切り分けがやりにくいということも解決されています。


100BASE-TX
ヒャクベースティーエックスと読みます。またの名をファストイーサネットというように、10BASE-Tの10倍の伝送速度を誇る早い規格です。規格名称は、「IEEE802.3u 100BASE-TX」です。これまでと同じく特徴をまとめると次のようになります。

媒体
カテゴリ5のUTPケーブルを利用します。カテゴリというのは、あとで簡単に触れますが、ケーブルの品質です。カテゴリ5では、100Mbpsまでの通信に利用することができます。
トポロジ
10BASE-Tと同じく、スター型もしくはスターバス型です。ハブとコンピュータ間のケーブル長も同じく最大100Mです。違う点は、ハブを複数台接続する場合、通信するコンピュータ間で経由できるハブは2台までです。
接続台数
10BASE-Tと同じく理論上1024台です。

100BASE-TXはこれからどんどん増えていく規格ですね。いま売られているコンピュータにはイーサネットのインターフェースがついてくることが多いのですが、ほとんど10BASE-Tも100BASE-TXも両方使えるものです。

あと、
10BASE-Tからの移行がやりやすいというのも大きなメリットです。10BASE-Tは、カテゴリ3以上のUTPケーブルなんですが、実はカテゴリ5のUTPケーブルで構築されているのがほとんどです。ですから、10BASE-Tから100BASE-TXに移行するにはケーブルを変える必要がありません。コンピュータのNICとハブを100BASE-TX対応のものに変えるだけですぐに10倍の伝送速度のLANに移行することができます。いまから新規に会社のフロアや家庭でイーサネットLANを構築する場合は、ほとんどこの100BASE-TXでしょうね。(それかいきなりギガビットイーサネットだったりして・・・)


イーサネット規格まとめ
さて、ここまで紹介してきた規格について表にまとめると次のようになります。。

規格名 10BASE5 10BASE2 10BASE-T 100BASE-TX
媒体 同軸ケーブル
直径約10mm
同軸ケーブル
直径約5mm
UTPケーブル
カテゴリ3以上
UTPケーブル
カテゴリ5以上
トポロジ バス型 バス型 スター、
スターバス型
スター、
スターバス型
伝送速度 10Mbps 10Mbps 10Mbps 100Mbps
ケーブル長 500M 185M 100M
ハブ−PC間
100M
ハブ−PC間
接続台数 100台 30台 1024台 1024台

ケーブルの最大長が決まっていますが、これを1Mでも超えるとダメかというとそういうわけでもありません。ただ、通信できる保証はなくなってしまいます。通信できるかもしれないけど、できないかもしれないといった状態になってしまいます。ネットワークを設計する上では、きちんと規格通りの長さにおさまるようにしないとダメですね。






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