クラスフルとクラスレスその4
目次
クラスレスルーティングプロトコル
クラスレスルーティングプロトコルは、ルータ同士が交換するルーティング情報の中にサブネットマスクを含めているルーティングプロトコルです。クラスレスルーティングプロトコルの例としては、次のプロトコルが挙げられます。
- RIPv2 (Routing Information Protocol version2)
- OSPF(Open Shortest Path First)
- IS-IS(Intermediate System to Intermediate System)
- EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol)
- BGP(Border Gateway Protocol)
クラスレスルーティングプロトコルでは、受信したルーティング情報に含まれているサブネットマスクの情報から「クラスの境界に縛られることなく」各あて先ネットワークに対するネットワークアドレスを認識して、ルーティングテーブルに載せることができます。
クラスの境界に縛られないということが、クラス「レス」という意味になります。
クラスレスルーティングプロトコルによるアドレッシングの柔軟性
サブネットマスクの情報をルーティング情報に含めているので、クラスフルルーティングプロトコルのように、不連続サブネットで正しくルーティングできなくなるという制限がありません。そして、経路集約もクラス境界での自動集約(※OSPFでは、自動集約を行いません)だけでなく、任意のビット境界において手動で経路集約を行うことができます。ただし、経路集約を適切に行うためには、効率よくIPアドレスを割り当てる必要があります。
さらに、クラスレスルーティングプロトコルでは、メジャーネットワーク内の各サブネットで、異なるサブネットマスクを適用して、IPアドレスをホスト数に応じて柔軟に割り当てるVLSMもサポートすることができます。プライベートアドレスを利用しているときは、無理にVLSMでアドレッシングする必要もないのですが、限られたグローバルアドレスを無駄なく効率よく利用するためには、VLSMは重要です。VLSMの詳細はまた、メルマガで詳しく解説します。
クラスフルルーティングプロトコルとクラスレスルーティングプロトコルまとめ
以下の表に、クラスフルルーティングプロトコルとクラスレスルーティングプロトコルの特徴についてまとめます。
クラスフルルーティングプロトコル | クラスレスルーティングプロトコル | |
サブネットマスクの通儀 | 行わない | 行う |
不連続サブネット | サポートできない | サポートできる |
VLSM | サポートできない | サポートできる |
経路集約 | クラス境界(自動) | クラス境界(自動)、任意のビット境界(手動) |
プロトコル例 | RIPv1、IGRP | RIPv2、OSPF、EIGRP、BGP、IS-IS |