日経コミュニケーション 2004.11.15 『この一語 【GE-PON】 P47』 by Gene
NTT東西地域会社の「Bフレッツ」、有線ブロードネットワークスの「BROAD-GATE」や東京電力の「Tepco ひかり」などのFTTHサービスに加えて、つい先日ソフトバンクBBが「Yahoo! BB 光」でFTTHサービスに参入しましたね。
この「Yahoo! BB 光」で採用されている技術が
「GE-PON(Gigabit Ethernet Passive Optical Network)」
です。
GE-PONって言葉をよく見かけるようになったのですが、具体的な仕組みなどよくわかっていませんでした。勉強しなきゃなと思いつつ、そのまんま。ちょうど届いた日経コミュニケーションに1ページで説明がありました。
技術的な話はいっさいありませんけど、たとえ話でわかりやすく書かれています。GE-PONのたとえ話として、
「色々な種類の料理を食べたいから、シェアしようよ」。中華料理店やイタリアン・レストランに行くと、一皿を何人かで取り分けて食べることがある。おいしいものはできるだけ多くの種類を食べたいが、一人で何種類も頼むと支払いが増えるし、食べきれずに残ってしまう。料理を分け合って支払いは割り勘にすれば、一人当たりは安上がりだし無駄もない。
ということを言っています。
なるほどね。ウチの夫婦で食事に行くとき、まず同じメニューは頼みません。違うメニューを頼んで、お互いちょっとつまんで色んな味を試してみたりしています。
そんな感じで光ファイバやセンター側の装置を複数人で共用するのがPON(Passive Optical Network)の考え方だそうです。(あ、でも外食するとき、お金払うのはたいていぼくだ・・・安上がりじゃない・・・)
スプリッタによって光ファイバを分岐し、ユーザ宅に分岐した光ファイバを引き込むことによって、通信事業者の光ファイバとセンター側の装置を複数人で共用できるようになります。そして、共用する際に特定のユーザが帯域を占有したりしないように、ユーザに均等に帯域の割り当てを行う機能や優先制御、帯域制御の機能も備えています。
これまでのPONは、ATM(Asynchronous Transfer Mode)によって実現していたそうです。ATMの155Mbps(OC-3)または622Mbps(OC-12)を複数でシェアしているわけですね。シェアする人数にもよりますが、ちょっといまのブロードバンド時代には力不足な感じがします。それに、ATMでネットワーク組むととても高くつきます。
そこで、IEEE802.3ahワーキンググループによって2004年6月に標準化されたのがGE-PONです。GEとあるように、ギガビットイーサネットをベースにしています。ATMに比べるとギガビットイーサネットは、コストも安く1Gbpsと高速です。
Yahoo! BBがGE-PONによるFTTHサービスに参入したら、すぐにKDDIも同様にGE-PONによるFTTHサービスを年内にも開始するとのこと。今年でFTTHサービスの導入期を脱して、来年辺りから成長期に入っていきそうな気がします。
GE-PONの技術的な内容にも興味があります。ただ、まだ日本語で読めるような資料はほとんどないだろうなぁ・・・優先制御や帯域制御をどうやって実現するのかが面白そうです。
あと、IT Proに今回の内容に絡んでFTTHサービスについてのサービス提供事業者のせめぎあいについて書いてある記事があります。
【緊急連載 変ぼうするFTTHサービスの真実】 合言葉は”ギガ”,KDDI,電力,NTTコムも動き出した
なかなか読み応えがある記事です。こちらも参考にどうぞ。
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