フレームリレーのトポロジ 【For CCNA】
目次
トポロジの種類
WAN接続のトポロジは、大きく分けて3つあります。
・ハブ&スポーク(スター)
・フルメッシュ
・部分メッシュ(パーシャルメッシュ)
これら3つのトポロジは、フレームリレーだけでなく専用線の接続やIP-VPN/広
域イーサネットなどでも可能です。ですが、フレームリレーでこの3つのトポ
ロジの違いが顕著になります。
フレームリレーの場合の3つのトポロジについて、もう少し詳細に考えます。
フレームリレーは、各拠点のルータを1本のアクセス回線でフレームリレー網
に接続します。ですから、フレームリレーにおいて上記3つのトポロジの違い
は拠点間でどのようにPVCを確立するかということであると理解してください。
※IP-VPN/広域イーサネットは原則としてフルメッシュです。ただし、セキュ
リティ上の制御などであえて、ハブ&スポークや部分メッシュのトポロジに
することもあります。
ハブ&スポーク(スター)
中心となる拠点から、その他の拠点にPVCを確立しているトポロジをハブ&スポ
ークトポロジ、またはスター型トポロジといいます。中心の拠点をハブ、その
他の拠点をスポークといいます。
ハブ&スポークトポロジのメリットは、最小限のPVCで拠点を接続するためコス
トが安いことです。フレームリレーの料金は、一般にPVCの数やPVC上でのCIR
値によって決定されます。また、ネットワーク構成がシンプルになるというメ
リットもあります。
一方、デメリットとして冗長性がないことがあげられます。ハブ拠点を中心と
した最小限のPVCで接続するので、PVCがダウンしたらそのPVCで接続するスポ
ーク拠点はすぐに孤立してしまいます。また、スポーク拠点間で通信を行うに
は、いったんハブ拠点を経由する必要があり、その分、遅延が大きくなったり
ハブ拠点の輻輳の原因になったりするなど効率が悪くなります。
※輻輳とはネットワークの混雑のことです。
フルメッシュ
すべての拠点を対等な関係でPVCを確立して接続するトポロジがフルメッシュ
トポロジです。
フルメッシュのメリットは、ひとつのPVCがダウンしてもその他のPVCを利用で
きるので冗長性を確保することです。また、各拠点間で直接パケットを転送で
きるので、ハブ&スポークでのスポーク拠点間で見られる遅延やハブ拠点での
輻輳がありません。
一方、デメリットとして拠点の数が増えれば増えるほど、多くのPVCが必要と
なり、コストが増大します。拠点の数をNとすると、必要なPVCの数は
N(N-1)/2
とN^2のオーダーでPVCの数が増大しコストも跳ね上がります。
パーシャルメッシュ
ハブ&スポークトポロジとフルメッシュトポロジのメリットを組み合わせたト
ポロジがパーシャルメッシュトポロジです。パーシャルメッシュは、重要な拠
点をフルメッシュ接続し、その他の拠点はハブ&スポークトポロジで接続します。
フルメッシュ接続ほどコストが高くなく、ある程度の冗長性を確保することが
できます。また、重要拠点同士の通信であれば遅延や輻輳も小さくなります。