ルータ(ルーティング概要)

ルータはOSI第3層で・・・

ルータは一般的に「OSI第3階層ネットワーク層で動作する」というように言われます。
「ネットワーク層で動作するってどういうこと?」って思いますよね。これは、ネットワーク層のヘッダを解釈することができるという意味です。
つまり、TCP/IPの通信を行っている場合、ルータはIPのヘッダを見てさまざまな処理を行うことができます。そのさまざまな処理の中で重要なものが「ルーティング」です。

ルーティング

ルーティングは日本語にすると、経路選択です。あて先のネットワークへどこの経路を使えばいいかということを選んでいくわけです。ルータという機器の名称もこのルーティングから来ています。
ルーティングを考えるために下の図のようなネットワークを考えます。

この図では、ルータA、B、Cの3台を使って3つのネットワークを接続しています。ルータAに192.168.1.0/24のネットワーク、ルータBに192.168.2.0/24のネットワーク、ルータCに192.168.3.0/24のネットワークが接続されています。各ルータ間の雷みたいな絵は、WANの通信回線を示しています。

ルータがルーティングを行うためには、ルーティングテーブルが必要です。ルーティングテーブルの内容は、あて先のネットワークとそこにたどり着くのに次にどのルータにデータを渡せばいいかということなどが含まれます。次に渡すルータをネクストホップルータというように呼びます。この図では、ルータAのル-ティングテーブルの例を書いています。ルータB、Cは書いていませんが、実際にはルーティングテーブルを持っています。
ルータAのル-ティングテーブルは、192.168.1.0/24のネットワークは自分に直接つながっています。そして、192.168.2.0/24のネットワークに行くためにはルータBに送ればいいということが登録されています。そして、192.168.3.0/24のネットワークに行くためにはルータCに送ればいいと書かれているわけです。

ルータの処理

さて、ここからがネットワーク層で動作するということについてです!192.168.1.1というIPアドレスを持つコンピュータAから192.168.3.1というIPアドレスをもつコンピュータCにデータを送るときを考えます。
以前にデータ送信時の動作について説明しましたが、違うネットワーク上の相手とは直接通信を行うことができません。そのため、デフォルトゲートウェイにデータを送ります。このデフォルトゲートウェイは実は、ルータのことでしたね。
そうすると、下の図のようなデータがルータAに送られます。

イーサネットのヘッダについては詳細は省略しています。イーサネットのヘッダのあとにIPのヘッダが入ってきます。この中に送信元のIPアドレスが192.168.1.1で、送信先のIPアドレスが192.168.3.1という情報が入ってきます。
ルータAはこのIPヘッダを見て、あて先に行くにはどこに渡せばいいかを判断します。すると、ルーティングテーブルから、192.168.3.0/24のネットワークへは、ルータCに渡せばいいですね。というわけで、このデータをルータCに送ります。そしてルータCの方から、あて先のコンピュータにデータが届けられていきます。

このようにIPヘッダとルーティングテーブルから最適なあて先を選択することが「ルーティング」です。IPヘッダはOSI参照モデルでいうと、ネットワーク層に当てはまるので、ルータはネットワーク層で動作するんですね。

とすると、「じゃぁ、ルーティングテーブルって誰が作るの?」っていう話になってきます。(そういうことにしといてください(笑))
このルーティングテーブルの作り方によって、ルーティングの種類がわかれて来ます。その種類として、「静的(スタティック)ルーティング」と「動的(ダイナミック)ルーティング」があります。

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