ネットワークアドレスの集約とは

複数のネットワークアドレスを1つにまとめることが集約です。集約はサブネットマスクを左にずらす操作を行います。まとめたい複数のネットワークアドレスのビットが共通しているところまで、サブネットマスクをずらします。ずらしたサブネットマスクのビット数をnとすると、2n個のネットワークアドレスを1つにまとめています。

集約の例

たとえば、10.2.0.0/24~10.2.3.0/24の4つのネットワークアドレスを2進数に変換します。すると、4つのネットワークアドレスの先頭から22ビット分のビットパターンがすべて共通していることがわかります。そこで、/24のサブネットマスクを共通しているビット分の/22まで左に2ビットずらすことで、10.2.0.0/22という集約したネットワークアドレスを生成することができます。2ビットずらしているので、10.2.0.0/22というネットワークアドレスは22=4つのネットワークアドレスを1つにまとめています。

図 集約したネットワークアドレスの例

どこまでずらす?

なお、どこまでサブネットマスクを左にずらすかはいくつのネットワークアドレスをまとめたいかによって決定します。上記の例では、サブネットマスクを4ビットずらしても共通したビットとなっています。4ビットずらした場合は、10.2.0.0/24~10.2.15.0/24の16個のネットワークアドレスを10.2.0.0/20というネットワークアドレスに集約することになります。

デフォルトルート

ネットワークアドレスの集約を最も極端にしたものがデフォルトルートです。デフォルトルートはすべてのネットワークを集約していて、「0.0.0.0/0」と表記します。サブネットマスクが/0ということは、サブネットマスクを32ビットの一番左端までずらしています。どのようなネットワークアドレスも0ビット目までは共通しているとみなすことができるので、デフォルトルートはすべてのネットワークアドレスを集約していることになります。

図 デフォルトルートの考え方

集約は、ルーティングテーブルの設定に深く関わってきます。ルーティングテーブルにネットワークアドレスを1つずつ登録する代わりに、集約したネットワークアドレスを登録することができます。

また、集約はサブネッティングと反対のサブネットマスクの操作を行うことからスーパーネッティングとも呼びます。そして、集約されたネットワークアドレスをスーパーネットと呼ぶこともあります。