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プロトコルはたくさんあって難しい・・・
英単語の頭文字をとったプロトコルがたくさんでてくると、難しいイメージを抱いてしまいがちです。ネットワークの仕組みを学ぶ上では、それぞれのプロトコルはどんな役割を果たすのかということを意識することが、理解を早める手助けになるでしょう。
プロトコルは3つに分類できる
TCP/IPのプロトコルを役割ごとに分類すると、以下の表のようになります。
種類 | プロトコル |
アプリケーション用プロトコル | HTTP、SMTP、POP3、IMAP4、FTPなど |
転送用プロトコル | TCP、UDP、IP、ネットワークインタフェース層のプロトコル |
管理・制御用プロトコル | DNS、DHCP、ARP、ICMP、SNMP、RIP、OSPF、NTPなど |
アプリケーション用プロトコル
私たちが普段利用しているアプリケーションの機能を実現するという役割を持っているのがアプリケーション用プロトコルです。HTTPはWebブラウザ、SMTP、POP3、IMAP4は電子メールソフトで利用するプロトコルです。その他にもたくさんのアプリケーション用プロトコルが存在します。
通信の主体はアプリケーションで、アプリケーションの機能を実現するこれらのプロトコルのデータをネットワークを介して転送します。
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転送用プロトコル
そして、アプリケーションのデータを転送するためのプロトコルが転送用プロトコルでTCP、UDP、IPおよびネットワークインタフェース層のプロトコルが該当します。それぞれのどのような範囲でデータを転送するかが違っています。アプリケーション層より下の階層は、基本的にアプリケーションのデータを転送するためにあると考えるとよいでしょう。
データの転送範囲として、以下の3つです。
- 同じネットワーク内
- 異なるネットワーク間
- PCやサーバ内のアプリケーションへの振り分け
イーサネットや無線LAN(Wi-Fi)といったネットワークインタフェース層の転送プロトコルは同じネットワーク内の転送を行います。そして、インターネット層のIPは、異なるネットワーク間の転送を行います。同じネットワーク内の転送を順次繰り返して、遠くのネットワークの宛先までアプリケーション用プロトコルのデータを送り届けていきます。
そして、「転送」というとイメージしづらいかもしれませんが、PCやサーバなどに届いたデータを適切なアプリケーションへ振り分けます。このためにトランスポート層のプロトコルであるTCPまたはUDPを利用します。
アプリケーションのデータを正しく送り届けるためには、この3つの範囲をサポートする転送プロトコルを組み合わせます。TCPまたはUDPとIP、そしてネットワークインタフェース層のプロトコルの3つを利用します。
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転送用プロトコルを組み合わせて、アプリケーションのデータを転送する様子をまとめているのが以下の記事です。
管理・制御用プロトコル
いきなりアプリケーションのデータを転送しようと思ってもできません。アプリケーションのデータを転送するためには、PCやサーバのIPアドレスなどの設定が正しく行われていることが大前提です。そして、ネットワークの経路上に障害が起こってしまっているとデータの転送ができません。また、通信するためにはURLやIPアドレス、MACアドレスと言った いろんな 「アドレス」を利用しています。いろんなアドレスを関連付けることも必要です。
正しい設定をするために設定を自動化したり、ネットワークが正常に稼働しているかなどを確認したり、アドレスの関連付けをするためのプロトコルが管理・制御用プロトコルです。主な例は、DNS、DHCP、ARP、ICMP、SNMP、RIP、OSPF、NTPなどなど数多くのプロトコルがあります。
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アドレスを関連付けるDNSおよびARPについて、以下の記事で解説しています。
IPアドレスを自動的に設定するためのDHCPについて、以下の記事で解説しています。