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設定の保存
ターミナルソフトウェアから入力した設定コマンドはrunning-configに追加されます。running-configの内容をstartup-configにコピーすることで、Cisco機器の設定を保存します。そのために、copyコマンドを利用します。copyコマンドのフォーマットは以下のようになります。
#copy <source-filename> <destination-filename>
<source-filename> : コピー元のファイル名
<destination-filename> : コピー先のファイル名
設定の保存、すなわち、running-configをstartup-configにコピーするには、以下のように入力します。
copy running-config startup-config
Router#copy running-config startup-config Destination filename [startup-config]? Building configuration... [OK] Router#
また、running-configおよびstartup-configの内容を確認するためには、以下のコマンドを利用します。
#show running-config
#show startup-config
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設定ファイルのバックアップと復元
copy running-config startup-configで設定を保存するだけでは不十分です。設定ファイルを別途バックアップしておくことも重要です。設定を保存するだけでは、機器自体が故障して起動できなくなり代替機を用意したときに、代替機の設定をもう一度最初からやり直さないといけません。設定ファイルをバックアップしておくと、代替機にバックアップしておいた設定ファイルを復元すれば、すぐに設定が完了します。
設定ファイルをバックアップする一番シンプルな方法は、show running-configでrunning-configを表示して、その内容をすべてテキストエディタにコピー&ペーストし、任意のファイル名のテキストファイルとしてローカルのPCに保存します。このバックアップ方法は、コンソール接続しているPCだけあればいいだけで、最もシンプルです。
そして、バックアップした設定ファイルを復元するための一番シンプルな方法は、設定ファイルの内容をターミナルソフトウェア上でコピー&ペーストすることです。「設定ファイルは1行1行が設定コマンドである」ということを思い出してください。グローバルコンフィグレーションモードから、バックアップした設定ファイルの内容をコピー&ペーストすると、一括してコマンドを入力することになります。
ただし、設定を復元するときには注意してください。Ciscoルータはデフォルトでインタフェースにshutdownコマンドが入っています。インタフェースを有効化するためにno shutdownコマンドを入力しますが、running-config上では表示されません。バックアップした設定ファイルにもno shutdownがない状態です。
デフォルトでshutdownコマンドが入っているインタフェースにバックアップしておいた設定ファイルの内容をコピー&ペーストして一括入力しても、no shutdownコマンドは入力されずにインタフェースはshutdownされたままになってしまいます。
設定を復元するときには、インタフェースのshutdownコマンドを明示的にno shutdownを入力するか、バックアップした設定ファイルにno shutdownを追加しておくなどの対応が必要です。
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