全2重通信(Full Duplex)/半2重通信(Half Duplex)

(所属カテゴリー:LAN---投稿日時:2003年1月12日)

「全2重通信(Full Duplex)」とか、「半2重通信(Half Duplex)」とかよく聞くけど・・・

ネットワークインタフェースカードのカタログやスイッチのカタログを見てみると、

「半2重通信、全2重通信」

という言葉をよく見かけます。今回は「半2重通信」と「全2重通信」について見ていきましょう。

「半2重通信(Half Duplex)」って?

半2重通信とは、同時に送信か受信どちらかしか行うことができない通信方式です。

イーサネットでは、もともと同軸ケーブルを使っていました。ちょっと復習ですが、「10BASE5」「10BASE2」というイーサネット規格では、同軸ケーブルを利用しています。 同軸ケーブルの構造は次の図のようになります。

同軸ケーブルでは、データを流す、つまり電流を流す回路はひとつしかありません。そのため、ある瞬間には、送信か受信どちらかだけしか行うことができなくなります。
もしも、ひとつしかない回路に同時に複数のコンピュータがデータを送信すると、その回路上で電気信号が衝突してしまい、正しくデータを送ることができなくなるわけです。

「全2重通信(Full Duplex)」って?

全2重通信とは、送信と受信を同時に行うことができる通信方式です。仕組みはそんなに難しくありません。同軸ケーブルでは、データ(電流)を流す電気回路がひとつしかなかったので、半2重通信だったのです。では、もうひとつ電気回路を増やしてあげれば、送信と受信を同時に行う全2重通信ができるようになります。

いま、もっともよく使われているケーブルのUTPケーブルは、以下の図のような構造です。

UTPケーブルは、8本の線を2本ずつ4組にしています。この一組ずつがひとつの電気回路を作り、データ(電流)を流すために使われています。

じゃ、どの組がどのように使われているのか?それは、ケーブルを接続するネットワークインタフェースによります。

ネットワークインタフェースの種類

UTPケーブルを接続するネットワークインタフェースは、「MDI」「MDI-X」の2種類あります。

どちらインタフェースもUTPケーブルの8本の線を接続するための8本のピンを持っています。

「MDI」インタフェースは、通常、PCやルータなどのネットワークインタフェースで、(1,2)の組でデータの送信を行い、(3,6)の組でデータの受信を行います。「MDI-X」ポートは、ハブやスイッチのインタフェースで、MDIインタフェースとは逆に、(1,2)の組でデータの受信を行い、(3,6)の組でデータの送信を行います。

「残りは何に使っているのか?」と疑問に思う方がいらっしゃるでしょう。基本的には、残りは使っていません。
が、ベンダ独自の拡張によって、残りの組も使っている例があります。ちょっと話はそれますが、たとえばシスコでは、「IP Phone」というデータと音声を統合するためのIP電話機器があります。IP Phoneを動作させるためには、もちろん電源が必要なのですが、スイッチでインラインパワーという機能を持っていれば、UTPケーブルのあまっている組を使って、スイッチからIP Phoneに対して電力を供給することができるようになっています。余計な電源を確保する必要がなくて、配線がすっきりするというわけですね。

ちなみに、IP Phoneっていうのは、こんな感じです↓

「じゃ、スイッチに接続するPCも電源供給できるの?」って思うかもしれませんが、ちょっとそれは無理です。インラインパワーでは、DC48Vまでしかの電源しか供給できないので、PCを動かすのは無理なのです。

接続するケーブルの使い分け

PCとスイッチを接続するときはストレートケーブル、スイッチ同士を接続するときはクロスケーブルという使い分けを行いますが、MDIインタフェースとMDI-Xインタフェースについてわかっていれば、間違えることはありません。

基本的に、片一方から送信ピンから流したデータは、もう片一方の受信ピンに入らなくてはいけません。ですから、違う種類のインタフェースを接続するときにはストレートケーブルを使い、同じ種類のインタフェースを接続するときにはクロスケーブルを使うことになります。

全2重通信(Full Duplex)を行うためには

さて、データを送るための電気回路を2つ用意することで、送信と受信を同時に行う全2重通信が可能になります。しかし、そのためには条件があります。それは、マイクロセグメンテーションを行っていることです。

マイクロセグメンテーションとは、以下の図のようにスイッチのひとつのポートに1台のコンピュータを接続する接続方式です。こうすると、ひとつのコリジョンドメインの中にコンピュータが1台しかいないので、衝突が発生しないことが保証されます。衝突が発生しない環境においてのみ、全2重通信が可能です。

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