レイヤ2スイッチの役割

レイヤ2スイッチは「ひとつの」イーサネットを利用したネットワークを構成するネットワーク機器です。レイヤ2スイッチを複数台接続しても、「ひとつの」ネットワークです。

VLANによって1台のレイヤ2スイッチで複数のネットワークとすることもできます。

そして、レイヤ2スイッチで構成する「ひとつの」イーサネットネットワーク内でのデータの転送を行います。レイヤ2スイッチにとってのデータは「イーサネットフレーム」です。イーサネットはOSI参照モデルで考えると第2層のデータリンク層です。OSI参照モデルの第2層のイーサネットフレームを扱うので、「レイヤ2」スイッチと呼んでいます。イーサネットフレームを転送するために、イーサネットヘッダのMACアドレスをチェックします。転送する際には、FCSでエラーチェックも行っています。

企業の社内ネットワークであるLANや一般個人の家庭内ネットワークは、イーサネットを利用して構築することがほとんどです。そのため、レイヤ2スイッチは社内ネットワークのLANや家庭内ネットワークを作るためのネットワーク機器といえます。

企業の社内LANは、全体でひとつのネットワークというわけではありません。レイヤ2スイッチで作った「ひとつずつ」のネットワークをレイヤ3スイッチで相互接続します。家庭内ネットワークであれば、「ひとつ」であることがほとんどです。

まずレイヤ2スイッチに接続

また、レイヤ2スイッチは「ネットワークの入口」という役割もあります。レイヤ2スイッチにはたくさんのイーサネットインタフェースが備わっていて、クライアントPCやサーバなどをネットワークに接続するときには、まず、レイヤ2スイッチと接続することになります。ネットワークの入口になるという意味から、レイヤ2スイッチを「アクセススイッチ」と表現することもよくあります。

図 イヤ2スイッチの概要

レイヤ2スイッチのデータ転送の詳細は、↓の記事をご覧ください。  

 

呼び方がいろいろ

レイヤ2スイッチには呼び方がいろいろあります。このことが「ネットワーク機器ってなんだかいっぱい種類があってよくわからない」なんて思ってしまい、混乱してしまう原因にもなっています。レイヤ2スイッチの主な呼び方は以下の通りです。

  • レイヤ2スイッチ(L2スイッチ)
  • スイッチ
  • LANスイッチ
  • スイッチングハブ
  • ハブ

これらは、全部同じモノを表しています。家電量販店で販売されている一般ユーザ向けのレイヤ2スイッチは「スイッチングハブ」と呼ぶことが多いです。そして、スイッチングハブを省略して、単に「ハブ」と呼ばれることもしばしばです。

ハブとレイヤ2スイッチは違う

筆者個人は、単に「ハブ」という呼び方は、使うべきではないと考えています。単に「ハブ」という呼び方を使った場合、OSI参照モデルの物理層レベルの「共有ハブ(シェアードハブ)」との区別がつかなくなってしまうからです。

「ハブ」も「レイヤ2スイッチ」も用途は、「ひとつのイーサネットネットワークを作る」ことで共通です。ただ、転送対象と転送の仕組みが違います。

ハブは、「データ(イーサネットフレーム)」を受信して転送するのではありません。OSI参照モデルの物理層レベルのネットワーク機器なので、「物理信号」を転送するだけです。インタフェースで物理信号を受信しても、それを「0」「1」のデータに変換しません。物理信号のノイズを取り除いて、受信したインタフェース以外のすべてのインタフェースへコピーして送り出すだけです。このときに、何らかの転送の判断も一切行っていません。特に何も判断せずにすべてのインタフェースに送り出すという単純な動作をしているだけです。

あるPCから送信されたデータ(物理信号)は、同じハブにつながっているすべてのPCに流れていってしまいます。ちょうど、初期のバス型のイーサネット規格である10BASE5や10BASE2を利用しているのと同じです。

図 ハブの動作

ハブを使ってネットワークを構築することは、たぶん、もうないでしょう。誰かが単に「ハブ」と言った場合は、その人は「レイヤ2スイッチ」を意図していることがほとんどです。でも、この記事を読んでくださっているあなたは、きちんと言葉を使い分けてください。

「ハブ」自体もいろんな呼び方があります。「共有ハブ」「リピータハブ」「ダムハブ」「バカハブ」などです。