IMAP4の概要

IMAP4(Internet Mail Access Protocol version4)は、メールサーバ上のメールを直接読むためのプロトコルです。POP3は、マルチデバイスの環境でメールデータの同期をとることが難しくなってしまいます。そこで、IMAP4はメールデータをメールサーバで管理することを前提としています。メールデータをクライアントにダウンロードしないので、IMAP4を利用すれば、自宅のデスクトップPCからでも、外出先のノートPCやスマートフォン/タブレットでも同じメールを読めるようになります。

IMAP4でメールサーバにログインすると、メールの件名やメールの送信者などのヘッダ情報のみを読み込みます。そして、読みたいメールのみメールの本文をダウンロードして、メールソフトで表示します。メールボックスに大量のメールがある場合、POP3に比べるとIMAP4は必要なメールのみダウンロードするので、ネットワークトラフィックが少なくできます。また、メールの既読/未読の状態もメールサーバで管理できます。自宅のデスクトップPCでメールを読むと、出先のノートPCでは読んだメールが既読の状態で表示されます。

図 IMAP4のメールデータの管理
図 IMAP4のメールデータの管理

 

IMAP4のデメリット

一方、IMAP4のデメリットとして以下の点が挙げられます。

  • メールサーバに接続できなければメールを読めない
  • メールサーバの負荷が大きい

POP3ではメールデータをローカルPCで管理しているので、何らかの理由でメールサーバに接続できなくてもそれまで受信したメールを読むことができます。しかし、IMAP4ではメールサーバに接続できなければ、メールを読むことができません。

また、すべてのメールをメールサーバに保存するので、メールサーバのディスク容量がたくさん必要になります。そして、メールの検索などの処理もすべてサーバ側で行うので、メールサーバの負荷が大きくなります。そのため、個人向けのインターネット接続サービスのメールサーバでは、IMAP4に対応していないことが多いです。

図 IMAP4のデメリット
図 IMAP4のデメリット

 

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