VLANのアクセスリンク

(所属カテゴリー:ネットワーク機器---投稿日時:2003年6月22日)

スイッチのポート

スイッチのポートは、次の2種類に分類されます。

  • アクセスリンク
  • トランクリンク

それぞれのポートの種類について、どんな特徴があるのかということを解説していきます。今回は、まず「アクセスリンク」についてです。

アクセスリンク

「アクセスリンク」とは、「ただひとつのVLANに所属し、そのVLANのフレームを転送する」ポートのことを指しています。アクセスリンクには、クライアントコンピュータが接続されることが多くなります。

VLANの設定の手順は、

  • VLANの作成
  • アクセスリンクの設定(ポートが所属するVLANの決定)

というプロセスになります。
アクセスリンクの設定として、あらかじめ固定的に決めておく方法とスイッチに接続されるコンピュータによって動的に変更させる方法があります。前者を「スタティックVLAN」、後者を「ダイナミックVLAN」と呼びます。

スタティックVLAN

スタティックVLANはポートベースVLANとも呼ばれ、その名の通り、各ポートが所属するVLANを明示的に指定する方法です。

ポートひとつづつ設定する必要があるので、何百ものクライアントコンピュータが存在する場合には、設定が煩雑になってしまいます。また、クライアントコンピュータが接続されているポートを変更したときには、そのポートが所属するVLANも変更する必要があるので、頻繁にレイアウトの変更がある場合には、設定の変更作業は非常に大きな負荷になります。

ダイナミックVLAN

一方、ダイナミックVLANはスイッチのポートに接続されるクライアントコンピュータによって、動的にポートが所属するVLANが変更されるので、上記のような変更に要する設定変更などの作業が不要になります。ダイナミックVLANは大きく、次の3種類に分類されます。

  • MACベースVLAN
  • サブネットベースVLAN
  • ユーザベースVLAN

これらの違いは、OSI参照モデルのどの階層の情報によって所属するVLANを決定していくかによります。

MACベースVLANは、スイッチに接続されるコンピュータのMACアドレスによってそのポートが所属するVLANを決定します。たとえば、"A"というMACアドレスはVLAN"10"という設定をスイッチにしておきます。MACアドレス"A"のコンピュータがスイッチのポート1に接続されると、ポート1がVLAN10に所属するようになります。コンピュータを接続するポートをポート2に変更すると、ポート2がVLAN10に所属するようになります。


※図をクリックすると拡大します

MACアドレスによって所属するVLANを決定しているので、レイヤ2のレベルでアクセスリンクの設定を行う方法であると考えることができます。 しかし、MACベースVLANは、設定するためにはスイッチに接続されるコンピュータのMACアドレスをすべて調べて登録しなければいけません。また、コンピュータのネットワークインタフェースカードを交換すると、設定を変更する必要があります。

サブネットベースVLANは、スイッチに接続されるコンピュータのIPアドレスによって、ポートが所属するVLANを決定する方法です。MACベースVLANのようにネットワークインタフェースカードを交換するなど、コンピュータのMACアドレスが変わってしまったとしても、IPアドレスが同じであれば、そのコンピュータは同じVLANに参加することができます。


※図をクリックすると拡大します

このため、MACベースVLANよりもさらに柔軟にネットワークを構成することができます。IPアドレスは、レイヤ3の情報ですから、サブネットベースVLANはレイヤ3のレベルでアクセスリンクを決めていきます。

ユーザベースVLANは、スイッチに接続されるコンピュータを利用するユーザによって、スイッチのポートがどのVLANに所属するのかを決定します。利用するユーザの識別は、たとえば、Windowsドメインのユーザ名などによって行います。
このようなユーザ名の情報は、レイヤ4以上の情報になります。VLANを決定する情報の階層が上がれば上がるほど、より柔軟なネットワークを構成することが可能です。

アクセスリンクのまとめ

以上のように、アクセスリンクの設定にはスタティックVLANとダイナミックVLANがあり、ダイナミックVLANの中にもいくつかの種類があります。サブネットベースVLANやユーザベースVLANはベンダの独自技術によって実現されていることがあるので、スイッチを選択する際には、機能の確認を行う必要があります。

以下の表に、スタティックVLANとダイナミックVLANについてまとめています。

種類 解説
スタティックVLAN(ポートベースVLAN) 各ポートを静的にVLANに割り当てる
ダイナミックVLAN MACベースVLAN 各ポートに接続されるコンピュータのMACアドレスによってVLANを割り当てる
サブネットベースVLAN 各ポートに接続されるコンピュータのIPアドレスによってVLANを割り当てる
ユーザベースVLAN 各ポートに接続されるコンピュータのユーザによってVLANを割り当てる

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