目次
VTPの設定手順
VTPの設定はとてもシンプルです。ただし、VTPはスイッチ間がトランクで接続されていることが前提であるということを思い出してください。まず、スイッチ間がトランクリンクで接続されていることを確認します。その上で、設定の手順としては次の2つです。
- VTPドメインの設定
- VTPモードの設定
そして、必要ならば、トランク上での不要なフラッディングをとめるためにVTPプルーニングの設定を行います。
トランクの設定については、以下の記事で解説しています。
VTPの動作については、以下の記事で解説しています。
VTPドメインの設定
VTPドメイン名の設定については、以下の点に注意してください。
- 大文字・小文字を区別する
- いったん設定すると、変更することはできるが、削除することはできない
- デフォルトでは、設定されていない
VTPドメイン名の設定には、以下のコマンドを使用します。
Switch(config)# vtp domain <domain-name>
<domain-name> : VTPドメイン名
なお、VTPドメイン名はCDPでアドバタイズしています。VTPドメインが設定されていないスイッチは、CDPでアドバタイズされたVTPドメイン名を自動的に反映させるようになります。また、必要ならばVTPパスワードの設定も行います。VTPパスワードの設定には、以下のコマンドを使用します。
Switch(config)# vtp password <password>
<password> : VTPパスワード
VTPパスワードを設定している場合は、当然ながら、すべてのスイッチで共通のパスワードでなければいけません。
VTPモードの設定
VTPモードの設定は、以下のコマンドを利用します。
Switch(config)# vtp mode { server | client | transparent }
デフォルトはserverです。必要に応じて、その他のモードを指定します。
VTPプルーニングの設定
VTPプルーニングを有効にするためには、VTPドメイン内のいずれかのサーバモードのスイッチで以下のコマンドを使用します。
Switch(config)# vtp pruning
VTPの確認
VTPの確認には、以下のコマンドを使用します。
- show vtp status
- show vtp password
show vtp statusコマンドでは、VTPドメイン名・VTPモード・コンフィギュレーションリビジョン番号・プルーニングの有効/無効などのすべての情報を確認できます。show vtp passwordコマンドでは、VTPパスワードを確認できます。
show vtp status
以下はshow vtp statusコマンドの表示結果です。
SW1#show vtp status VTP Version : 2 Configuration Revision : 7 Maximum VLANs supported locally : 16 Number of existing VLANs : 8 VTP Operating Mode : Server VTP Domain Name : SWITCH VTP Pruning Mode : Disabled VTP V2 Mode : Disabled VTP Traps Generation : Disabled MD5 digest : 0x19 0xA4 0x01 0x0F 0x47 0xC9 0x5F 0xF6 Configuration last modified by 0.0.0.0 at 3-9-93 05:18:28 Local updater ID is 0.0.0.0 (no valid interface found)
上記のshow vtp statusコマンドの表示結果からこのスイッチは、コンフィギュレーションリビジョン番号が7、VTPモードがサーバモード、VTPドメイン名がSWITCH、VTPプルーニングが無効な状態であることが分かります。また、上記の表示結果の中の「MD5 digest」は、VTPアドバタイズメントのチェックサムを表しています。
show vtp password
また、show vtp passwordの出力例は次の通りです。
SW1#show vtp password VTP Password: abcde
上記よりVTPパスワードが「abcde」に設定されていることがわかります。
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