IPマルチキャスト マルチキャストの概要 その1

(所属カテゴリー:マルチキャスト---投稿日時:2007年3月 3日)

TCP/IPにおけるデータ送信の方法

TCP/IP(IPv4)でデータを送信するには、次の3つの方法があります。

  • ユニキャスト
  • ブロードキャスト
  • マルチキャスト

まずは、3つのデータ送信方法の概要について。
ユニキャストは1対1のデータ送信で、あて先は1つのホストのみです。一方、 ブロードキャスト、マルチキャストは1対多のデータ送信です。ブロードキャ ストはあて先が同じサブネット上のすべてのホストになります。マルチキャス トのあて先は特定のグループに所属するホストです。

マルチキャストによるデータ送信の特徴を明らかにするため、まずユニキャス トとブロードキャストによるデータ送信を考えていくことにします。特にそれ ぞれのデータのアドレス情報とレイヤ2スイッチでの扱いに注目します。

※ネットワークの階層ごとに「パケット」「フレーム」などデータの呼び方が 変わりますが、ここでは「データ」として統一することにします。

ユニキャストのデータ送信

ユニキャストは1対1のデータ送信を意味します。あて先は1つのホストです。
ユニキャストのデータのアドレス情報を考えましょう。アドレス情報は階層ご とに捉える必要があり、ユニキャストのデータのアドレス情報は次のようにな ります。

  • レイヤ3のアドレス情報
    クラスA~クラスCのユニキャストIPアドレス
    データを送信したいルータやホストのインタフェースに設定されているユニ キャストIPアドレスを送信先IPアドレスに指定。

  • レイヤ2のアドレス情報
    NIC(イーサネットインタフェース)のMACアドレス
    送信先ホストが同じサブネットの場合-送信先ホストのMACアドレス
    送信先ホストが違うサブネットの場合-デフォルトゲートウェイのMACアドレス
    (レイヤ2のアドレス情報は、イーサネット環境に限定して考えています)

下記のネットワーク構成をサンプルにしてユニキャストによるデータ送信を考 えて見ます。イーサネットの環境はよくバス型のトポロジで表されますが、現 在はほぼスイッチを中心としたスター型トポロジです。そのため、スイッチを 中心としたスター型トポロジのネットワーク構成で考えます。

このネットワーク構成のホストAからホストDにユニキャストでデータを送信す るとき、アドレス情報は次のようになります。

  • レイヤ3のアドレス情報
    送信先IPアドレス:192.168.1.4
    送信元IPアドレス:192.168.1.1
  • レイヤ2のアドレス情報
    送信先MACアドレス:D
    送信元MACアドレス:A

ホストAからホストDのユニキャストによるデータ送信を図に表すと次のように なります。

この図では、レイヤ2スイッチですでにMACアドレステーブルが完成していると 仮定しています。ホストAから送信されたユニキャストのパケットは、レイヤ2 スイッチで送信先MACアドレスを参照してホストDが接続されているポートにの み転送されていきます。

ブロードキャストのデータ送信

次にブロードキャストのデータ送信を考えます。ブロードキャストは同じサブ ネット上の全ホスト宛にデータを送信します。ホストAからブロードキャスト する場合のデータのアドレス情報は次のとおりです。

  • レイヤ3のアドレス情報
    送信先IPアドレス:255.255.255.255
    送信元IPアドレス:192.168.1.1
  • レイヤ2のアドレス情報
    送信先MACアドレス:FF-FF-FF-FF-FF-FF
    送信元MACアドレス:A

ホストAからデータをブロードキャストしている様子は次の図のようになります。

ホストAから送信されたブロードキャストはレイヤ2スイッチでフラッディング されます。フラッディングとは受信したポート以外のすべてのポートに転送す ることです。フラッディングするためには元々1つのデータを複数にコピーし なければいけません。レイヤ2スイッチがデータを必要な数分だけコピーして 転送します。
転送されたデータは、ホストB、ホストC、ホストDに伝わります。このデータ の送信先MACアドレスや送信先IPアドレスがブロードキャストアドレスなので、 各ホストは受信してデータを処理します。

マルチキャストのデータ送信

最後にマルチキャストのデータ送信について見てみましょう。マルチキャスト は、特定のマルチキャストグループに所属するホスト宛にデータを送信します。 マルチキャストグループはクラスDのIPアドレスで定義します。
たとえば、ホストC、ホストDでマルチキャストグループ239.1.1.1というグル ープを作成し、ホストAから239.1.1.1へのマルチキャストする場合のアドレス 情報は次のようになります。

  • レイヤ3のアドレス情報
    送信先IPアドレス:239.1.1.1
    送信元IPアドレス:192.168.1.1
  • レイヤ2のアドレス情報
    送信先MACアドレス:239.1.1.1に対応したMACアドレス
    送信元MACアドレス:A

※マルチキャストで利用するレイヤ3、レイヤ2のアドレス情報の詳細は、 「マルチキャストアドレス」の項目で解説します。

ホストAから239.1.1.1へマルチキャストでデータを送信する様子を表すと次の 図になります。

ホストAから送信されたマルチキャストのデータはレイヤ2スイッチによってフ ラッディングされます。つまり、レイヤ2スイッチはブロードキャストもマル チキャストも同じように取り扱います。
フラッディングによってホストB、ホストC、ホストDにマルチキャストのデー タが届きます。ホストBは、マルチキャストグループに参加していないので、 届いたマルチキャストのデータを受信しません。一方、マルチキャストグルー プに参加しているホストC、ホストDは届いたマルチキャストを受信して処理を 行っていきます。

以上のようにユニキャスト、ブロードキャスト、マルチキャストのデータ送信 はそれぞれレイヤ3、レイヤ2のアドレス情報やレイヤ2スイッチでの転送の様 子が異なっています。

Google
Web n-study.com

各コンテンツの最新記事

有料コンテンツライブラリ(ITエンジニア教育資料)

ネットワーク技術雑誌レビュー

ベンダ資格受験記

オススメ!ネットワーク技術雑誌・書籍

MindMapでおべんきょ

結果を出せるコーチング

Geneのつぶやき

The Power of Words

スポンサードリンク


CCNP目指すならパソナテック

スポンサードリンク


11月はBGP祭り!
NE向けセミナー
まずは基本のBGP!